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2012年6月11日 (月)

ユーロ2012 ドイツ-ポルトガル ロナルドが国歌を歌う!

僕は夢を見ていた。

それは実況アナウンサーの叫びにも似た声で始まる。

「デコです!
ドイツ対ポルトガル戦 ピッチに立ったのはデコです!」
国際映像はグラウンドに仁王立ちするデコを映しだしている。
ユニフォームは濃い臙脂。2006W杯の1stだ。
「ポルトガルサッカー協会は昨夜、故障療養中の**に回復の見通しが立たないとして急遽、UEFAにデコの登録を要請しました。UEFAプラティニ会長はそれを認めデコが23人めの選手として登録されました。」
解説者が口を挟む。
「前回のユーロ2008では一番印象に残ったのはデコだと言っていたプラティニだけに、特別な配慮が働いたんじゃないですかねぇ」
アナウンサーが続ける。
「対戦するドイツ側はUEFAを通じて"我々はグラウンドに送り出した我々の勇者11人で戦う。ベストを尽くせば自ずから道は開けると信じている"とコメントしました」

そこで飛び起きてレコーダーを起動する。
そこにはデコではなく入場前のロナルドが映し出されていた。
手をつないで入場するちびっ子がロナルドを見上げて恍惚の表情を浮かべている。
かつてデコと無言で相対していた時のことを思い出す。
それが3分なのか、5分なのかはわからないが、とてつもなく長い時間に感じられた。
一生に1度あるかないかの好機に身を置いた時、人は言葉を失ってしまうのである。ただ僕の場合、それ以前に彼の言語がわからなかったのだが。

さぁ、ポルトガル代表戦第一のチェックポイントである「ポルトガル国歌」
おぉロナルドがフルコーラス歌っている。
名実共にポルトガルチームのキャプテンとなったロナルド。歌だけは歌うことにしたようだ。
国歌が終わるとスタンドにいたポルトガル人、ジョゼ・モウリーニョが映し出される。彼は両手を振るチーズ星人と同じポーズで、ポルトガルイレブンにチーズを注入する。
いつもならばここで、第二のチェックポイント。
デコが既にシャツをパンツから出しているか・・があるのだが、もうそれを見ることはない。

ホーム扱いのドイツは白シャツに黒パンツの1st。
ポルトガルは上下臙脂の1st。

ポスティガを1トップ。左ロナルド右ナニのウィングというポルトガル伝統の攻撃布陣。
中盤のデコが居た位置にはまっているのは、メイレレスとモウチーニョ。
2010年W杯でデコが干された後に起用されていたティアゴ・メンデスはメンバーに入っていない。

<前半>
ポルトガル最初のコーナーキック。
そこにたくさんの紙くずが投げ込まれて試合が停まる。
この地(リヴィフ)は何かポルトガルに恨みでもあるのか。
欧州一の経済好調国ドイツ国民のほうが、航空券を買える人が多かったというのはあるだろう。
この試合はドイツのホーム扱いで行われるが、試合が行われているのは第三国であり中立地。
だが場内の雰囲気は完全にポルトガルにとってawayである。

ドイツ選手が後ろから足をすくうタックルはお咎め無し。
一方、ポスティガはGKに足を向けたとして12分にイエローカードをもらってしまう。
得てして不利と見える状況と、試合結果は違うものだ。そこに期待を寄せる。
自陣PKエリアでのボール扱いでポルトガルは落ち着いている。
ここがFIFAランキングベスト10国と下位国の違いだ。

コエントランは2010W杯で注目された選手。
固い守備はまずまずだが、攻め上がった時の技術はこの2年であまり伸びていないようだ。

17分、ロナルドが初めてボールを持ちドリブルで左から切り崩す。
場内から一斉にブーイング。
同じくトッププレーヤーと称されるリオネル・メッシとの違いはここだ。
しかしロナルドは力強く言う。
「嫌いな人は多いかも知れないが、応援してくれる人はもっと多いはずだ。自分は正しい道を進んでいると思う」

30分経過
画面左側のドイツが攻めの形をつくる時間が長い。
ポルトガルは"引いて守っている"と言える。
DF陣は自陣でのパスミスが多く危なっかしい。
代表引退したリカルド・カルバーリョが居た時の落ち着きが懐かしい。

40分過ぎ
解説者がドイツ応援団であることに気づく。
実況アナウンサーがドイツの話をふると「そうだよね、そうだよね」と口調が普段着に替わってしまう。そこにシンパシーを感じているのだ。
場内には再三「スポーツマンらしい応援をしてください」というアナウンスが流れている。

44分CKからのこぼれ球をペペがシュート。
しかし惜しくもボールはポストに当たった後、ゴールライン沿いを転がった。誰かがそこでちょこんと触れば、ポルトガルに先取点が記録されていたところだ。

前半終了 0-0
WOWOWの前半ハイライトは、ポルトガルのボール支配率が38%だったと驚きと共に伝えている。

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