秘書が欲しい
ちょっと暑くなってきたな
というワケではないが、秘書が欲しい。
ある日僕は図書館を出て、並木道を歩いていた。
その時、晴れていた空には似つかわしくない強い風が吹き、帽子が飛びそうになった。
「風強っ!この後、雨が降るなんてとてもおもえないな」
と独りでつぶやいたわけだ。
あぁこういうのをケータイを持っていたら、tweet するんだろうな。
でもケータイのない暮らしは6ヶ月めにはいり、この身軽さは手放せない。
誰かが代わりに代金を払ってくれて、それから充電もしてくれて、それから誰かが代わりに持ってくれて・・・
それでもって、ちょっとつぶやきたいなって時
その誰かに、 あ、ちょっとスマホ出して と言って出してもらい、つぶやく。
「風強っ!この後、雨が降るなんてとてもおもえないな」
あ、けっこう打つのもめんどい。
やはり、キーボードがなければムリだ。
僕がつぶやくから、君ちょっと代わりに打ってとその誰かに頼む。
そうなると秘書が欲しい。
でも、秘書は誰でもいいってわけじゃない。
暇そうなそこらの学生アルバイトでは、約束通りに来てくれない気がする。
俺が打つんすか とか言われて気分が悪くなりそうだ。
できれば余計なことを言わないで、品のいい人がいい。
ただし、堀北真希では緊張するし、渡辺謙まで渋いと気後れする。
そこそこに話せて、礼儀正しい40代男性が希望だ。
そういう個人秘書を派遣してくれる業者はないのだろうか?
検索してみるとすぐに見つかった。
時給1,700円程度。ただし、時間はほぼフルタイム。
今から2時間だけ頼むよというわけにはいかない。
ケータイのない暮らしはつづく。
町歩きでの独り言は、誰に聞かれることもなく、気まぐれな積乱雲が起こした初夏の風にかき消される。
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