イタリアの5番は顔も中身もいい男 モッタ
初戦のドイツ-ポルトガル戦を見終えたところだ。
「それではグループBの状況を見ておきましょう。試合結果が出ます。ご注意ください」
あっそうか。
と気づいた時には、もう画面には星取り表が出ている。
焦点をモニターからぼかしながら画面右下にあるストップボタンをクリックする。
危うくこれより先に行われたデンマーク-オランダ戦の結果を知ってしまうところだった。
それから12時間、情報遮断の1日を終えて録画観戦。
オランダ-デンマーク
オランダは上下オレンジの1st。
デンマークは上下白の1st。
立ち上がりのオランダは余裕のパス回し。
君たちとは格が違うんだよと言わんばかりで、大人が子どもをあやしているようにも見える。
だが24分に先制したのはデンマーク。
オランダは組織で前へプレスをかけていくが、壁に隙間を見つけられない。
壁パス、スルーパスとパスとデンマークのパスは美しい。
初戦を終えた16カ国の中では、もっともセンスに溢れたサッカーだった。
オランダ 0-1 デンマーク
次戦で対戦するポルトガルは、このデンマークの上にいかなければ2位通過さえない。
ユーロ2012 3日め
スペイン-イタリア
スペインは赤シャツ×黒パンツの1st。
イタリアは青シャツ×白パンツ。
スペインの招集メンバー23人の中にプジョルの名前がない。
一方、イタリアの5番は丸刈りになったモッタだ。
Thiago Motta
FCバルセロナでフランク・ライカールトとチキ・ベギリスタインが、守備的MFとして最も高く評価していた選手。
かつてU23ブラジル代表として出場歴があったが、イタリアA代表に招集された。
【 モッタの略歴 】
1982年
8月28日、ブラジル生まれ
1999-2000
FCバルセロナ入団
2001-02
FCバルセロナ・トップチームデビュー
2003-04
ゴールドカップでU-23ブラジル代表に招集された。
2004-05
6月、横浜戦 2ゴールでMVP(賞金30万円)
浦和戦では腕を傷めベンチに何度も交替を求めたが、ライカールトに替えてもらえずテーピングして終了まで出場。
シーズンオフ、ブラジルで行われた 親友デコの結婚式に出席した。
2005-06
ユニフォームナンバー「3」
1月14日、練習中に右ひざ内半月板損傷
2006-07
ひっつめ髪を切り、肩に届かない短い髪型でシーズンに入る。
FIFAクラブワールドカップ準決勝、決勝出場。
3月、無断で練習を休み休養を与えられる。謝罪してチームに復帰。
6月、戦力外通告を受ける。
2007-08
アトレティコ・マドリー1シーズン在籍
2008-09
オフシーズン中に移籍先が決まらなかったが 9月14日、セリエA ジェノア入団が決まった。
ジェノアには1シーズン在籍した後、インテルへ移籍した。
2009-10
インテル1年め セリエA、コパイタリア、UEFA CL三冠を獲得した。
2010-11
2月、イタリア代表に招集された。ブラジル代表がU23だったため、A代表での招集をFIFAが認めた。
通称:削り屋。
イエローカードが出るまでは、かなり危険なタックルで相手を止める。
背が高く男前。当時、女性ファンから「顔の偏差値が低い」と言われていたFCバルセロナの中では、異彩を放っていた。
ファンをとても大切にする男で、サインを求めるといつでも気軽に応じてくれる。お陰で2回もサインをもらった。ペンを持っていない通りがかりのおばさんが
「まっ、いい男」と言ってサインを求めると
「そのおばさんにも、お前のマジックを貸してやれよ」
と怒られたのが懐かしい。
かつて、デコが「最も気の合うチームメイト」として名を挙げていたモッタ。
バルセロナで干されて、ここまでの選手かと思っていたが、イタリアでの成功は本当にうれしい。心から祝福を送る。
試合は、不調のバロッテッリに替わってはいったティナ・ターレが先制ゴール。風貌がデコに似ている。
コマネズミのように細かい隙間をつくスペインのサッカーを美しいと言い続けなければならない人は大変だと思う。
スペイン 1-1 イタリア
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