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2012年6月29日 (金)

しらけた大人のイングランド 高校生のように無垢なイタリア

ユーロ2012 16日め 準々決勝4
イングランド-イタリア

イングランドは上下白の1st。
イタリアは上下青。
見所はバロテッリの高い身体能力から繰り出すシュートが決まるか。ジェラードの高精度クロスが点につながるか。

<前半>
2分 デロッシが放ったボレーシュートが見事な回転になり枠を直撃。
4分 イングランドがGKの直前で楽勝のシュートを放つが、ブフォンが奇跡的に手に当てるセーブ。
ここまでの準々決勝3試合が凡戦だったのに比べると、互いがよく走り、高い技術で均衡するこの試合は見ていて楽しい。
31分 裏に抜け出してGKと1対1になったバロテッリ。高い身体能力でシュートを打つが不発。直後のイングランド、ウェルベックがごっつぁんゴールを上に外す。
37分 カッサーノのシュートは枠内だがGKが楽々弾く。
イングランドとイタリアは表・裏を申し合わせた野球のように攻勢と守勢の時間帯を譲り合っている。
イタリアは切り札バロテッリに好機があったが、イングランドはジェラードの精密クロスがまだ出ていない。

<後半>
6分 デロッシのロングシュート。GKが弾いたところに詰めたバロテッリ。またも決められない。果たして三度目はあるか。
イングランドは前半の中頃に緩めた攻撃姿勢をいつまでも取り戻せない。
イングランドのほうが圧倒的に弱いのかという分析が頭をもたげる。
31分 イングランド好位置でFK。猫の額のジェラードがジャストレングスのクロス。額の広いルーニーの頭はわずかに届かず。
43 ノッチェリーノが裏に飛び出し決めたかに見えたが、DFグレン・ジョンソンが足に当てる。
47分 ゴール前、芯に当てるだけでゴールインのイージーオーバーヘッドをルーニーがふかす。

5分の休憩後、今大会初めての延長戦。
15分ハーフの30分を戦う。
ドイツ戦を前にここで疲弊する戦いは互いに避けたいところだったが、負けては終わりなので仕方ない。

<延長前半>
ポルトガル人の主審は、少々のことでは笛を吹かない。
どちらかに不平なこともないため、試合は荒れることがない。
ポルトガルが決勝に進まない場合、彼が決勝の笛を吹くのではないか。
3分 マッジョが累積2枚めのイエロー。
前大会同様、カードがリセットされるのは準々決勝、すなわちこの試合後。
ここでイエローが2枚たまった選手は準決勝に出られない。

<延長後半>
4分 初めてイタリアが右サイドの好位置でFK。
つづいて5分 ほぼ正面のFK。バロテッリが大きくふかしてしまう。
7分 左からのクロスはディアマンティに合うがまたふかす。
サッカーメディアはこういうチーム状態を「決定力不足」と言うが、単に下手なだけだ。FWが下手揃いのチームは弱いし、上手揃いのチームは強い。
9分 ようやくこの試合初めてゴールネットが揺れる。しかしモッチェリーノは完全なオフサイド。もう状況が見えていない。

イングランド 0-0 イタリア
サッカーにもボクシングのような判定勝ちがあれば、勝ったのはイタリア。
ただそれだけに続くPK戦ではイングランドに運が傾く予感がある。

<PK戦>
5人ずつが蹴り、勝負が付かない場合、6人め以降はサドンデス。
イングランドファンはテリーに順番が回らないことを祈っているだろう。
コイントス。ブフォンは大笑いしているがスティーブン・ジェラードは泣き顔。
イタリアサポーター前のゴールでシュートアウトが始まる。
円陣で声を出すイタリアは、高校生のクラブ活動のように高揚した一体感を見せている。

バロテッリ 左 ハートが読み切ったが手が届かず○
ジェラード 左 これもブフォンが読んだが○
モントリーノ 左 ハートが読み切ったため、枠外へ×
ルーニー 左 ブフォンは右に飛ぶ ○
ピルロ 中 ハートが右に飛んだ後スローなシュート○
ヤング 中 ブフォン クロスバ-×
モッチェリーノ 右 ハートは右 ○
アシュリー・コール ブフォン右へ跳びジャストキャッチ ×
ディアマンティ 左 ハートは右 ○

イングランド2-4イタリア
運も味方につけたイタリアが順当な勝ち抜け。
ドイツの楽勝と思われた次戦が少し楽しみになった。
ただし、イタリアに勝機があるとすればバロテッリが大当たりするか、PK戦にもつれてブフォンの出番がくる時だろう。

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