2012年夏季五輪女子マラソンプレビュー
ロンドン五輪の女子マラソンは2012年8月5日夜に行われる。
テレビでは地上波のフジテレビが 19:00から21:54まで生放送する。
しらべるではわかりにくい現地時間は使わない。
すべて慣れ親しんだ日本時間表示である。
日本代表選手は2012年3月12日発表。
前日の「第1回名古屋ウィメンズマラソン」で尾崎好美、中里麗美、野口みずきらが死闘を演じた結果を受けて3人が選ばれた。
■重友梨佐
五輪のレース日時点で24歳 岡山県出身。
3人の中では優先順位1位で選ばれたものと思われる。
通常のレースコースならば、3人のうち最も期待を寄せるところだが、今回のロンドンでは期待できない。
3人の中ではただ一人アシックスを履く。
■木崎良子
27歳 京都府出身
2011年11月の横浜国際女子マラソンで尾崎好美を破り、代表枠を手に入れた。
そのレースがマラソン初優勝。
木崎良子はそれまでアシックスの靴を履いていたが、アシックスの名匠三村仁司がアディダスに移ったことにより、靴をアディダスに替えた。
■尾崎好美
31歳 神奈川県出身
2011年2月の横浜国際女子マラソンでは中里を振り切って優勝したが、その後ふるわない。
代表切符を手中に収めた名古屋ウィメンズでも「日本人1位」にこだわり、1位の外国人選手を追わなかった。
五輪で勝つことよりも、参加することに意義を感じていたようだ。
靴は以前からアディダスユーザー。
三村仁司製作の初市販モデル「アディゼロ タクミ 戦」の広告にも起用されている。
注目するとしたら、尾崎好美が本当に「タクミ戦」を履いて走るのかというところだ。
結論から言うと、日本人3選手にメダルの期待はできない。
それは、これから挙げるレースの特徴に原因がある。
ロンドン五輪のマラソンコースはロンドンマラソンのコースとは違う。
五輪専用コースである。
コース図を見て言えることは、これは「人が走るF1モナコGP」だということだ。
コースは同じコースを3周回。
マラソンでは2周でさえ珍しいというのに3周である。
そして順路はロンドン市内の観光地をジグザグに巡るもの。
直角のコーナーがおよそ100回もある。
ど素人!ランナーにとってはカーブは多い程よい。
直線で遠い先が見通せるコースは苦しい。
コースは先が見通せないほうが苦しさがないのである。
カーブを曲がって新しい景色が広がる度に気分が変わる。
だが、プロランナーにとっては話が違う。
プロランナーは2時間台前半という高速で走らなければならない。
カーブと高低差はスピードの阻害要因だ。
それにも増してロンドンのコースはバッキンガム宮殿前の直線「ザ・マル」をスタート/ゴールする観光名所巡りの市街地コース。
路面はランニングに向かない石畳、凹凸も多い。
これはエリートランナーにとって「走る罰ゲーム」だ。
まさにF1レースさながらのインの取り合い、オーバーテークが300回に渡って行われる。
さらに狭い走路の両脇に人垣が迫る。
ふつうの神経ではとてももたない。
豊富な経験をもち、最後まで生き残ることができる粘り強さを持つランナーが女子マラソンの勝者となるだろう。
日本代表の3人については、木崎良子、尾崎好美、重友梨佐というゴール順になると見る。
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