脳科学から見た祈り
井上陽水40th Special Thanks Tourに行った時、不思議に思ったことがある。
終盤のMCで
「皆さんのご健康をお祈りしています」
「皆さんの幸せをお祈りしています」
といったことを繰り返し言ったのだ。
初めての陽水ライブだった東京国際フォーラムでは、なんでそんなことを言うのだろうと考えた。
続いて行った日本武道館公演でも陽水は、皆さんにむかって祈っていた。
東京国際フォーラムならば5,000人。
日本武道館ならば10,000人。
祈った相手の数は半端ではない。
普通の人が誰かに向かって祈りを捧げようと想ったら10年くらいかかってしまう人数である。
その時は、陽水なりの感謝の表し方なのだなと独りごちていた。
あれから3年、今となってはその理由が推測できる。
陽水はなぜ、大勢を前にして祈っていたのか?
世の中にはいやな奴がたくさんいて
「あいつが居なくなればいいのに」
と想う相手が誰にも1人くらいはいるだろう。
そんな相手の顔を思い浮かべて「**」と、ちょっと書けないような祈りをしてしまったとしよう。
しかし、祈った後にあなたは想う。
いや、そういうことを祈るとそれは自分に返ってくるのではないか。
いや、そうやって気持ちを抑えつけるのは良くない。はき出した方がいいんだ。
もう堂々巡り。
いったい、どうすればいいの?
自分は一生懸命がんばっている。
でも周りは自分を認めてくれない。
そればかりか、次から次に難題を押しつけられる。
誰も見ていないと想っても、きっと神様が見ている。
捨てる神あれば拾う神あり・・
人は言うけれど、本当だろうか。
誰も自分のことなど、見ていてくれないんじゃいか。
自分には価値がないのか?
ここに3つの疑問文を挙げた。
その答えは以下の本にある。
「脳科学から見た祈り」中野信子 潮出版社 2011年12月 600円
著者の中野信子は医学博士であり脳科学者。
前向きな心、感謝、人を思う祈りが脳を活性化し、免疫力を高めるというテーマで執筆。
この「脳科学から見た祈り」はシンプルかつ少ない文字数で、的確な言葉が並んでいる。
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