内村航平がコクミンに示すモデル
体操男子個人総合を制した内村航平はオールラウンダーの体操競技者。
大学受験でいえば、5教科を満便なく学ぶ国立大学型だ。
居並ぶ私立大学型のスペシャリストが、不得意科目で失点していくのを尻目に、ここぞとばかりに格の違いを見せつけてくれた。
これまでテレビで放送されたいくつかの"内村特集"で、彼の生い立ち、特別な能力、厳しい練習に裏打ちされた有言実行の姿勢に触れてきた。
金メダル確実とブックマークされている選手は他にもいる。
だが、テレビを通じて彼の人柄に触れるにつけ、彼への思い入れは特別なものになった。
金メダルをかけてもらった表彰式後の第一声、彼は「コクミン」という言葉を使った。
コクミンの皆さんの期待に応えることができてよかったという主旨のくだりだ。
メディアによっては、ニュース記事のテキストでは「コクミン」という表現を避け「日本のみなさん」に置き換えていた。
世界はいま、新たなる逆境を迎えようとしている。
日本は既に2011年の震災以降、大変な逆境のなかにいる。
企業経営者は、経営の効率をいかに上げるか、いかにして安定した資金を借り入れるかに必死の思いだ。
そうした緊張した空気のなか、企業のサラリーマンも大変な逆境にいる。
逆境は乗り越えなければならない。
乗り越えなければ、家族の幸せ、そして本人の生が未来につながらない。
だから、誰もが逆境を乗り越えるモデルが欲しい。
逆境は乗り越えられる。
逆境は耐えるものではなく、乗り越えるものだという例示。
そして、目の前に逆境を乗り越えたモデルがいれば、その人となりを観察する。
どうやって、彼は逆境を乗り越えたのだろうと。
内村は多くの日本人に、モデルを示したのだ。
金メダルをかけられて、夢見心地の彼をみて、心の落ち着きを得た。
日本には国民的**という言い回しがある。
国民的美少女
国民的行事
国民の誰もが認めるほどの**という意味で使われる。
内村航平はまさに国民的スター。
彼の口から出たコクミンということばは、とても的確だった。
逆境にあえぐ、社長さん、サラリーマン、主婦、体操選手・・
多くのコクミンが彼から得たヒントで、今、逆境に立ち向かおうとしている。
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