国立大学型の内村航平
内村航平は、超人的な心身能力を持つ体操選手。
得意種目はゆか、鉄棒。
残念ながら、今回の五輪では予選鉄棒で落下したため、種目別鉄棒に出場することはできなかった。
内村は誰もやったことがない技を種目別鉄棒で用意していた。
全国の体操選手たちは、とてもがっかりしている。
一般の体操選手からみれば、本来、着地は止まらないもの。
内村がその価値観を変えてしまうため、観客の目が肥えて他の選手が下手に見えてしまう。
1989年1月3日、長崎県諫早市生まれ。
男子マラソンに出場する藤原新と同郷である。
九州では「その姿を映したのだろうか銅鏡よ」というCMがあったが、知っている人は少ないだろう。
実家が経営する体操教室で体操を始めた内村は、小学校の時に導入されたトランポリン練習を積んだことで空中感覚を手に入れた。
2003年4月、高校から東京に移住。体操男子の団体金メダルをテレビで見たのはこの頃である。
2006年4月、日体大入学
2008年夏、五輪初出場 団体総合2位 個人総合2位 個人種目別ゆか5位
2009年 世界選手権個人総合の初優勝 以降 2011年まで3連覇を継続中。
2011年4月、KONAMI入社
内村航平は大学入試でたとえれば「国立大学受験者」
国立は5教科を満遍なく学んだ総合力が問われる。
一方、まだ力技に難があり吊り輪が弱い加藤凌平はまだ「私立大学受験者」だ。
私立は得意科目3教科だけを学べばよい。
今回の団体決勝は「5ー3ー3」登録5人のうち各競技3人が演技して、その3人すべての得点が採用される。
このルールのもとでは「私立大学」タイプを揃えた国が強い。
中華人民共和国にはその人材が揃っていて、日本にはまだ揃っていなかった。
内村航平が「団体の金が第一目標」と言い続けてきたから、その気になって応援したわけだが、その差は歴然としていた。
最終演技者となった内村航平のあん馬。
「うっちーがんばー」の声がかかる。
この「**(選手名)がんばー」は体操部のお約束。
選手同士、応援席はこのかけ声をかけることに決まっている。
くじ運に恵まれず終始、英国の大歓声を聞かなければならかった日本。
この日の観客席にはマナーの良さの代名詞である「英国紳士」は来ていなかったらしい。
あん馬審判団の誤審に涙目になった内村航平を見るのは、我がことのように辛かった。
「国立大学」タイプが問われる個人総合は、内村航平の笑顔が見たい。
そして2016年には「私立大学」タイプの選手が出そろうことだろう。
その時は、内村航平も私立に宗旨替えして団体の金を奪い取って欲しい。
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