足にはいった鉛の正体
39km~40km
この1kmは15秒の落ち込み。
砂利道区間を終えて右折すると今度は西行き。
さぁ砂利道に負けてなるものか!
ここから萎えた気持ちを建て直す。
諦めてどうする。落ちそうになる度に気持ちを再点火。
「さいてんか!」
何度も心で叫ぶ。
39km看板で手元の安全圏表と照合。
自己ベストラインの真上。予断を許さない状況が続いている。
すると、西行きは無風。
覚悟していた逆風が吹いていない。
助かった
最後のエイドはパス。
もう水は要らない。
パスで浮く数秒の時間が欲しい。
結局、エイドに寄ったのは3回だけ。これまでのレースでは最も少ない。
両手に持つ「グリップ給水ボトル」があったからだ。
2011年11月の「ふじのくに新東名マラソン」(静岡県)では、17kmにわたって給水できないという出来事があった。
リスク管理としても、この方法は有効である。
40km~41km
距離表示をみて安全圏表と時計を照合。
まさに同タイム。
ぎりぎりだ。
最後の1kmに、このレースの成否が委ねられた。
41km~42km
競技場の取り付け道路に右折。
競技場への右左折は、マラソンランナーにとって憧れの一瞬。
その先に栄光のゴール
途端にがくんと足に鉛が入った。
え、どうして?
まだここは平地だ。
ここまで足が残っていたし、この10kmはほとんどベストラップを維持している。
この先には、昨日見たあの坂。
わずか数秒の間に事態は暗転し、このレースが失敗するのだとわかった。
到底受け入れられない現実
そこに、自己ベストのボーダーラインに入れておいた曲。
AKB「カチューシャ」が鳴る。
この曲が終わるまでにゴールしなければ、自己ベストには届かない。
坂が始まる。
足が進まない。
レースを終えて何度か考えた。
あの時、右折した途端、足に入った鉛。
いったい、なんだったのか。
やはり、あれは足が終わっていたのだ。
綿密に計画したサプリメントが奏功して、脳はまだいけると指示していた。
だが、脳はその先に長い坂があることも知っていた。
そして、僕は途方に暮れる。
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