自民党総裁候補者が5人とも、謙虚で聡明に見えた理由
以前、結婚式の司会を頼まれた友達が「えー」という口癖を克服した話を書いた。
日頃から気をつけて、一か月ほどの準備期間を経てようやく、えーを言わないようになったということだった。
話し言葉に「えー」を入れる人は、あまりものごとをよく考えていない人であり、相手をなめている人である。
自分の真意、誠意を相手に伝えたいと思えば、爽やかな弁舌、切れのいい滑舌で話そうと考える。
えーを言うことが感じが悪いということすら気づかない人は、話し方の功罪について何も考えていない。
えーを言って何が悪いの?という人は相手をなめている。
しかし、えーを言う癖はなかなか直らない。
テレビ局のアナウンサーですら、四六時中「えー」「えー」言っている。
NHKのアナウンサーは言わないが、民放は「えー」放題だ。
日本記者クラブの企画委員も「えー」放題の人たちだ。
9月15日13:05より生中継された「自民党総裁候補者公開討論会」
司会進行を務める女性は「えー」まではいかないものの「え」「え」と短い相の手を入れないと喋れないようだった。
そして、質問を浴びせる企画委員の人たちは「えー」「えー」言い放題。
かなり、横柄な印象を受けた。
記者クラブは中央省庁、地方自治体、裁判所などに設置される報道機関の取材場所で 結成されている組織。
本来、情報公開の便宜を図るための施設だが、実状は「各社横並び記事」を作るためのなかよしクラブが運営されている。
このような形態の記者クラブは日本固有のもの。
海外で組織されている記者クラブは、完全な親睦団体である。
討論会が始まって数分で、その異変に気づいた。
それは十分に異変と呼べるものだ。
自民党の安倍、石破、町村、石原、林。
5人の候補者が「えー」を全く言わないのである。
日頃の政治家の会見や答弁を聞いていれば、それが普通ではないことがよくわかる。
この日、2時間の討論会で「えー」を言ったのは、町村5回、林1回程度だった。
彼らは、その爽やかな弁舌により、一律に謙虚かつ聡明に見えた。
えーを言わない話し方は"えーを言わない技術"の特性上、自然と好印象を与えるのだ。
候補者が5人いて、5人揃って質が高いということは、あまりないことだ。
恐らく、5人の代表候補は話法について、しっかりと対策を立てて努力してきたのだろう。
弁舌が爽やかだと、話がすーっと耳に入ってくる。
すると、話の内容が伝わる。
その人となりが、ありのままに曲がらずに伝わってくる。
「えー」を言われると、ただでさえ中身がない人だから、一応話だけでも聞こうかという気持ちすら失せる。
えーを言わない効果をまざまざと見せつけられた。
見習いたい。
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