« ぴんぽんぴんぽんの秘密 答えはあの人が知っていた。 | トップページ | 靴紐を買うのに2ヶ月かかる »

2013年2月 7日 (木)

後ろに目がない人たち

マラソン本番を走っている
エイド(給水所)が近づいてきた。

終盤のエイドでは、どのランナーも意識がもうろうとしていて危険だ。
ここで、他のランナーと接触したら互いに怪我のリスクがある。時間のロスにもなるので、なんとか無事に給水したい。
できるだけ、人が少ないテーブルを見定めて、徐々に進路を左にとっていく。

そのとき、前を走っていたアベック・ランナーが突然、立ち止まり、90度進路を変えてテーブルに歩き始めた。

しかも、2人は手をつないでいる。
僕は2人が作ったゴールテープを切った。

全国の仕事場では、今日もうつろな目をした人達がパソコンに向かう。
脳を元気づけるために、朝コンビニで買ってきた甘いジュースが、実は低血糖を引き起こしていることに気づいていない。

パソコンの画面だけが、その世界となっているおじさんとおばさんたち。
決して広くない居室スペースのことも
同じ職場には他人がいることも
すっかり忘れている。

サトウさんが、トイレに立つ。
ただでさえ狭い通路をすり抜けるようにステップを踏んでいく。
通路の両脇には互いに背を向けた、うつろな人たち。
もう少しで広い廊下へと出ようとした時だ。

50代の窓際おじさんが、突然椅子を1m引いた。
椅子で膝を打ち、痛がるサトウさん。
でも窓際おじさん。それには気づかず、何事もなかったかのように、また椅子を戻した。

あまりに実務が空虚で、時々、体を動かすらしい。

「後ろにも目を着けなさい」
かつて、賢い母さんかっぱえびせんというCMがあったが、賢くない母さんはこうした躾をしないで、我が子を世に送り出す。

罪だ。
大きな罪だ。

幼少の頃、まっとうな教えを親から請わぬまま、つまらない大人になってしまった人々に、その言葉は届かない。

はあっ?
後ろに目ぇっ?
ぶわっかじゃないの?

その言葉は貴方のためにある。

| |

« ぴんぽんぴんぽんの秘密 答えはあの人が知っていた。 | トップページ | 靴紐を買うのに2ヶ月かかる »

くらし」カテゴリの記事