「コクの微糖」を見送る
気温が上がっていることはわかっている。
確かに、はじめの数キロで汗が帽子からしたたり落ちてきた。
でも、体はそれほど暑さを感じていない。
今回のサプリメント。
レース前は恒例、30分前の「VESPA Pro」
15分前にショッツ1つ。
ウェストポーチにはショッツを4つ入れてきた。
21kmという距離からして、そこまで必要ではないと思うが、本番に向けたテストとして4kmごとに1袋ずつ摂っていく。
空き袋はエイドのゴミ箱に捨てようと考えていたが、捨てずに両手に握って走る。
今回はグリップ給水ボトルを持ってきていないので、なんだか手が寂しかったのである。
いつも練習ではe3グリップを握っているので、素手だと"まるめる握り"ができない。
咄嗟の思いつきである"空き袋握り走法"は、思いの外よかった。
二子玉川の先で折り返すと、体は無風と感じた。
これは追い風であることを意味する。
後半は押していけるぞという予感を持ったのだが、脳からは突撃指令がでない。
それならばとペースメーカーを見つけては、後を追う粘りの走りに徹するのだが、周りの皆さんもあまりペースが上がらぬようで、はつらつと走っている人が見つからない。
生理的にムリだ
無理をして脱水症状や不測の事態になることはまずい
それが言い訳なのか、正しい判断なのか
その答えは永遠に出ない。
あるのは、今、体がどう動くかだけだ。
レース本番で、目標タイムが明確な時は、必死モードへ入れと脳からの突撃指令が出る。
だが、今日は調整レース。
ハーフベストを目指してきたわけでもない。
ご覧のとおり、高温、風、砂埃
まさに消化レースだ。
右腕にはめたペースブレスレットは、7kmを過ぎてからは一度も見ることがなかった。
それにしても路面が悪くて、走りづらい。
このような不整地では、足首のテーピングは、セラポアではなく伸縮にしなければならない。
給水が4カ所しかないことは事前にわかっている。
手持ちボトルはすべて飲んでしまわず、ウェストポーチに仕舞っておく。
いつもならば、手持ち給水でまかない、エイドは1回寄りで済ませるところだが、今日は4回とも寄った。
これだけ気温が上がったのだから、急遽エイドを追加するといった措置がとれるよう、事前の備えをしておけばいいのに
。。。あ、それは後で考えればいいか。
とにかく、今は目の前のレースに集中だと切り替える。
ゆっくり走れば、ゴールが遠い。
気合いを入れれば、体がきつい。
そんな禅問答を繰り返し走っているうちに、待ち焦がれていた今朝着換えたテントが見えてきた。
ゴールするとポカリスェットとお菓子を手渡された。
マラソン大会でお菓子をもらったのは初めてだ。
記録証をもらうこともすっかり忘れたまま、テントに潜り込み大の字になる。
ずっと日よけのない河川敷を走ってきただけに、日陰がこんなにも気持ちいい。
ゴール後の楽しみにと「コクの微糖」をリュックにしのばせて来たが、ショッツ4つの胸焼けがひどく見送った。
着換えているうちに風が強くなった。
土手を歩き出すと空が黄色かった。
右薬指に血豆ができた。
風は南西およそ10m。
12時の気温は24度。
砂を吸って靴が汚れている。
さぁ、ここから上げていくぞという気合いが入った。
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