コウモリ男、現代に現る
明らかに悪い人に対してはとてもゆるいのに、善良でまじめな人にとてもきつい。
そんなコウモリ男があなたの目の前にいたら、どう思うだろう
いや、あなた本人がそうだったら・・・
ユーザーのスズキさんが言う
「同僚のサトウさんのログオンパスワードを教えてください。
彼は今日急に休んでいて、どうしてもそのパソコンに入っているデータが必要なんです」
こういう場合、このスズキさんは善良と推察できる。
ここでコウモリ男登場!
おっと、サトウさんに上から目線だ。
「他人のパソコンにログオンするということは、なりすまして架空売上げを立てることだ
ってできるのです」
テレビの見過ぎだろう
「こういう時のために、日頃から情報を共有するプロセスを確立しておかなければならな
かったのでは?」
よほど日頃、威張れる相手がいないのだろう。
プロセスという単語を使う人に、まともな人はいない。
さんざん説教して、脅して、自分に一切責任が及ばないよういろいろな担保の手順を
踏んで、
「特段の配慮をしましょう」
と恩を着せる方向へ進む。
彼の別名を関所コウモリ男という。
ユーザーのタナカさんが言う。
「アルバイトの出入りが激しいので、いちいち登録していられません。
パスワードはパソコンに紙を貼っておき、皆で使っています」
こういう場合、タナカさんは確信犯だ。
では、今から雇用契約の更新試験を行います。
パスワードの使い回しをしてよいですか?
と尋ねると「いいえ」と答える。
しかし今、自分がやっていることは例外だと思っている。
ところが、コウモリ男。
悪のタナカさんにゆるい。
「明文化したルールはないですからねぇ。
なんとも言えないので、一度、システム部へ相談してみたらどうですか?」
コウモリ男は、相手を見て態度を変える。
ある時、その判断基準は自分を頼ってくれているかどうか。
ある時は、自分に責任が及ぶかどうか。
そしてどちらの結論が、早く自分の手からボールを離せるか。
コウモリ男は、今日も優しい世間につけこんで、息を潜めている。
ある時は優しく。
ある時は恐ろしく。
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