くまもとサプライズが成功への最短ルートを進む理由
2012年、くまモン関連商品の売上げはおよそ300億円にのぼった。
その理由として、版権使用料が無料であることを挙げる人が多い。
この夏、九州に帰った際、会う人ごとにくまモンの話題を振ったところ、たいがいの人がくまモンについて一家言を持っていた。
この点において、東京とは状況が違う。
それだけ、くまモン情報がTV、ラジオに露出しているということだ。
TV、ラジオに露出して初めて、情報は"たいがいの人"に伝わるのである。
その中で多くの人が語っていたのは
「版権使用料を無料にしたことで成功した」という点だ。
熊本県庁は、くまモンの版権を著作者から買い取っており、現在の著作権者は熊本県庁。
一方、書類審査を経て許諾した場合、版権使用料は無料としている。
もちろん、版権使用料が有料よりは無料のほうが、企業にとって商品化の敷居が低い。
ただし、無料だからくまモン商品が売れているのではない。
くまモン誕生とほぼ同時期、他県にも版権使用料無料の九州新幹線PRキャラクターがあった。
県庁に書類で申請するというところも同じ。
だが、そのグッズが作られたという話はネット上で見つからない。
2013年3月15日、幻冬舎から「くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ」が出版された。
著者は熊本県庁チームくまモン。蒲島郁夫熊本県知事も執筆に携わっている。
この著作では「くまもとサプライズ」がプロの手を借りて、周到慎重かつ、チャレンジングに進められたことが読み取れる。
成功の鍵はトップだ。
企業でも家庭でも趣味の仲間でも家庭でも
世界中の何処でも
それは変わらない。
どれだけ例外を理屈で並べたとしても、へぼなトップの下では何事も理想通りには運ばない。
「くまもとサプライズ」は、蒲島郁夫というトップが居たことで、成功への最短距離を走っている。
5月10日、テディベアのメーカーであるドイツのシュタイフ制作による「くまモンテディベア」発売がメディア発表される。
限定1,500体。即時完売。
発売価格は29,400円だったが、現在オークション市場では、2倍以上で取引されている。
7月にはフランスをはじめとする欧州出張。
ガラス製品のトップブランド「バカラ」や、BMWとの共同創作を行っている。
どちらが仕掛けているかは別として、大手ブランドがくまモンに大化けの臭いを感じ取っていることは間違いない。
つづく
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