生涯でもっともバロンドールにちかづいたデコ、伝統の壁に阻まれる。
FCポルトで積んだ実績により、デコを欲しがらないクラブはないという状況になった。
当初は同じFCポルトからチェルシーへ移籍するホセ・モウリーニョ監督と行動を共にするという説が有力視された。
実際にチェルシーとの契約交渉も進んでいた。
だが、デコが行きたかったのはFCバルセロナ。
「バルサは、何も言ってきてないの?」
デコが代理人にけしかけると、すぐに話は進んだ。
2004年7月
リーガ(スペイン国内リーグ)FCバルセロナに移籍。
移籍金1,500万ユーロ(およそ20億円)
2007-08シーズンまでの4年契約
ユニフォームナンバー20
ポルトガル代表でつけていた「20」がそのまま、FCバルセロナでのナンバー。
ポルトで付けていた「10」は、デコより1年早くFCバルセロナにやってきたロナウジーニョが付けていたからだ。
結局、このあと所属したチェルシー、フルミネンセ共に、デコのナンバーは「20」
およそ10年間「20」を背負ったことになる。
入団直後、デコは「FCBarcelona on tour Japan2004」で初来日。
FCBarcelona on tour Japanとは、FCバルセロナが日本市場拡大のためにおこなうプロモーション・ツアー。
Jリーグクラブとの親善試合がメインだ。
ただし、デコは来日直前に街で起きたトラブルに巻き込まれて負傷。
試合には出場しなかった。
2004-05
デコのFCバルセロナ、1stシーズン。
チームのMFとしては、若きシャビがいたが、リーガ2004-05開幕からレギュラーとして出場する。
2004年12月14日
2004年のバロンドールはシェフチェンコ(国籍:ウクライナ、クラブ:ACミラン、位置:FW)が受賞。
次点デコ
CLを制覇したFCポルトの主軸としての活躍が評価された。
デコが選手生活で最もバロンドール(当時は欧州MVP)に近づいたシーズン。
ballondor
プロサッカーの年間最優秀選手賞に与えられる金色のサッカーボール(テルスター)を模したトロフィー。
2006年までの選出方法
欧州のプロサッカーリーグでプレーする選手が対象。国籍は不問。UEFAに加盟する各国記者の投票で選ばれる。
2007年からの選出方法
プロサッカーリーグでプレーする全選手が対象。世界各国記者の投票で選ばれる。
*以降3年の受賞者
2005年
11月28日、ロナウジーニョが受賞。
2006年
11月28日、カンナバーロが受賞。
2007年
12月2日、世界最優秀選手の第1回はカカが受賞。
2004年当時はまだ「バロンドールはFWに与えるもの」という伝統があった。
FCバルセロナのシャビはワールドサッカーキング 2005/12/1 号インタビューで「バロンドールはFWの選手が受賞するものだから・・」と語っている。
MFのデコはその壁に阻まれてしまった。
つづく
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