これだけは、とくしまマラソンが日本一?
21km~22km
中間点で、タイムとペース表を確認する。
最後まで最善を尽くすことを諦めてはいない。
だが、本日の目標タイムに届かないことは痛いほどわかっている。
最後まで、必死に走る。
それだけが今日のレースに残された最後の誇りだ。
そう決めたら、ここから先、ペース表で遅れを確認するのをやめることにする。
22km~23km
足下になにか落ちている。
asicsのキャップだ。
持ち主は風で飛ばされた帽子を追う気力もなかったのだろう。
僕が拾っても、どうしようもないよな。
そう思った時だ。
前を走っていた女性ランナーが、しゃがんだかと思うと帽子を拾って走り始めた。
まさか、これから落とし主を探すの?
すると、その先にあったエイドでオトシモノですよと渡していた。
あの気持ちの余裕、ボランタリーに頭が下がる。
左端の折り返しは24km地点
24km~25km
24kmちょうどでようやく、折り返しの橋に着いた。
君をずっと待っていたんだよ。
でも、ちょっと来るのが遅かったよね。
橋に話しかける。
橋の上は交通規制されておらず、通常通りクルマが走っている。
ランナーは歩道を走る。
橋を渡り終えるとすぐに左折。
いよいよ待ちに待った"後半"だ。
さっきまでは間近にいた観客が、規制されたガードレールの向こうにいてクリアな道ができている。
そこから先は一気に下り。
人が見ていると、つい調子に乗ってしまうのは子供のころからの悪いクセ。
急にやる気が出てスピードを上げる。
「おぉっ速い」
誰に言ったのかおじさんの感嘆が聞こえたが、自分の脳が作りだした錯覚かも知れない。
それにしても、ここだけ突出して人が多い。
団体バスでやってきたのかと思うほどの人だかり。
25km~26km
空っぽになっていた右手のグリップ給水ボトルを捨てる。
去年片方だけ捨てたところ、バランスが悪くなったようでレース中に肩が凝ってしまった。
今年は空っぽになっても最後まで両方持っていようと思ってきたのだが、予定が変わった。
このレースの目標が曖昧になった。
脇目もふらずに歯を食いしばって走る展開ではなくなっている。
多くのランナーは、沿道の皆さんとハイタッチをしている。
ハイタッチをするには、どちらか片方の手を空けなければならない。
コースの右側に寄って、右側の人とハイタッチ。
子どもを重点に。
沿道に応援に来た皆さんが、ハイタッチを構えている率は、全国のマラソンでここが日本一なのではないか?
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