目を輝かせて駆け寄ってくる男子高校生
男性高校生は笑いながら走ってくる。
20年ぶりに里帰りした親せきのおじさんに駆け寄ってくる甥っ子のように。
10mほどに近づいた時、彼が抱きかかえているモノを見て、目を見張った。
わっ、ありがとう
彼が必死に運んで来たのは、僕の荷物だ。
遠くからナンバーカードを見て、持ってきてくれたのだ。
マラソン大会に出場したことがない人のために書くと、ランナーはスタート前に荷物を預けている。
荷物には識別札をつけるが、そのキーとなるのはナンバーカードの数字。
ナンバーが1234だとすれば、識別札にも1234と書き込んで預ける。
ボランティアの彼は、42kmを走り終えたランナーが疲れた足をひきずる姿を見て、遠くからナンバーを見ては、荷物をピックアップして運んでいたのだった。
導線のまずさをカバーする、秀逸な機転だ。
チップ外し→チップ回収→完走証プリント→完走賞渡し→感想→荷物受取→完走賞渡し2→給水→給食
この導線は経験がない。
給水→給食→チップ外し→チップ回収→完走賞渡し→完走証プリント→荷物受取
大概の大会は、こういう導線になっている。
競技場内を見渡しても水はなさそうなので、
芝生に座り込む。
そして、大の字に寝転ぶ。
空が晴れてきた。
しばし、帽子を顔にかぶせて、帽子越しの日射しに目をつむる。
ゴール後に大の字になるのは、失敗レースのお約束だ。
周りは、寝ころんでいるランナーが多い。
だが、専用の着替え場所ではないようで、宴会を始める人はいない。
(佐倉朝日健康マラソンでは、着換え場所で宴会をしていた)
続々とランナーがやってくる。
制限時間までは、まだ十分に時間がある。
さてここは、トラックのど真ん中。
ここで着替えていいものかという疑問は残るが、荷物は受け取ってしまっている。
腰にタオルを巻いて着替えに入る。
ここで使うタオルは幅は普通で、丈が長いものが便利。
数年前、駅伝カーニバルの参加賞でもらったタオルが、これ専用となっている。
タオルには書類クリップ(特大)を付けている。
こうすれば、タオルが誤ってするりと落ちてしまう心配がない。
はじめの頃は、タオルが落ちはしないか、ハラハラしたものだ。
それでも、下着を替える場面は緊張した。
ただでさえ、脚は参っている。
バランスを崩して倒れたら、周囲に迷惑をかけてしまう。
昨日買って今日おろしたてのすべり止め付き靴下「XTS144」
親指に穴が空いた。
「ツメはまっすぐに切る」
たいがいのスポーツ書にそう書いてあるが、
レース日に限定していえば、親指はツメの角を丸く切る必要があると知った。
時刻は間もなく、15時となります。
館内放送が経過時間を告げている。
天候:晴れ
気温:13度
風:北北西7m
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