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2013年11月25日 (月)

革新の速い時代における不条理

言葉で言っても伝わらないことは説明したくないんだ。

「説明してくれ」
という人に説明したくない。
反論することを前提としてツッコミどころを探しているからだ。

「説明不足だ」
という人に説明したくない。
説明した時に聞いていなかったからだ。

それは前に説明しましたよ、と言うと
「言ったかも知れないけど、それでわかった人はいないはずだ」
「伝わらなければ意味がない」
「それは、説明していないのと同じだ」
そう言われるのが目に見えている。

なぜ、そう言い切れるかというと、
それは、自分が反対の立場ならば、そう言いたいからだ。

説明というのは骨が折れる。
あることがらについて、100人の人に伝えるのは不可能に近い。
それは、聞いている人と、人の話を聞かない人がいるからだ。

「説明不足だ」
と言うのは、人の話を聞かない人だ。
はなから聞くつもりはない。
自分は聞く努力をしなくても、わからせる責任は相手にある。
そう考えている。

不条理だが、こう考えている人はとても多い。
それは、現代において特に多くなった。
それは、あらゆるものごとにおいて、革新の速度が速くなったことに起因する。

革新は多くの情報で構成されている。
昔は4ヶ月かけてやればよかった革新、
今は1ヶ月でやらなければならない。

昔は4ヶ月かけてよいから、説明会があった。
研修会があった。
手取り足取り教えてくれた。
その後、呑み会があったりした。

現代は1ヶ月でやらなければならないから、説明会がない。
研修会もない。
手取り足取り教えるヒマはない。
呑んでいるヒマもないから、人間関係は摩擦力だけが増している。

説明会はない。
研修会の代わりにあるのはなにか?
手取り足取り教える代わりにあるのは何か?

それが「共有フォルダー」に「格納」された電子ファイルだ。
作り手が、自分にだけわかる電子ファイル(Power Pointやエクセル)をつくる。
残業を重ねて30ページほどの力作だ。
それが、いくつも「共有フォルダー」に「格納」されている。

作り手にとって「共有フォルダー」ほど都合のよい仕組みはない。
「格納」さえすれば、それを盾にして、自分は次の仕事へ進める。

では、作り手は楽をしているのか?
いや、そうではない。
作り手は、そのクライアントから要求を矢継ぎ早に出されて、馬車馬のように働いている。

結局、誰も楽な人はいない。
幸せな顔をしている人も居ない。
コンピューター・システムの技術基盤を提供している人たちだけが、ほんの少し笑っている。

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