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2013年11月17日 (日)

打者走者にヘッドスライディングを推奨するケースとは

7回裏、2死3塁に走者がいる場面、左打席に藤田が入る。
そこで、巨人は澤村から左腕の青木にスイッチ。
一塁の方から出てくる青木の球は左打者の背中の方からやって来て、打球は高く跳ねたセカンドゴロ。
しかしクロスプレーではなく、楽天のチャンスは潰える。
チャンスの後にピンチあり
その言葉どおり、8回の巨人の攻撃には何かが起こる予感。

・・・

よほど動体視力がいい人でない限り、テレビ画面で一塁の判定ができる人はいない。
経験的に画面でみて
「これはセーフだろう、ランナーの足が早い」
と思ったプレーがリプレーで見ると間一髪アウトであるということを経験的に知っている。

同時かな?
と思えるプレーの場合、リプレーのスロー再生でみると
小学生でも判定できそうなくらいアウトである。

現代のテレビカメラの映像精度は格段に進歩している。
それを受け取る家庭では、HDレコーダーが普及している。

たとえ微妙な判定であっても、テレビのリプレーはせいぜい1~2回止まり。
あまりしつこくやると、誤審に対するファンの怒りを煽ることになるし、セーフと言われたチームのファンの不興を買う。
実際この夜のスポーツニュースでは、NHKはこのシーンについて一切触れなかったし、巨人の系列局である日テレでさえ映像を流さなかった。
誤審を非難するのはスポーツ新聞の仕事と、棲み分けが決まっているようだ。

HDレコーダーで画像を停めると、ロペスのファーストミットにボールが収まった瞬間、ヘッドスライディングした銀次の手と一塁ベースの距離は20cm程度にみえる。
プロ野球の審判はこれを、ライブで判定しなければならないのだから大変だ。

同様に第3戦の楽天5点めとなるホームインもアウトだった。
HDレコーダーで画像停止すると、阿部慎之助のキャッチャーミットが走者の太ももにめり込んだ時、足とホームベースの間には10cmほど距離がある。

走塁技術にも誤審の原因が潜んでいる。
翌日の報知に巨人の鈴木尚広が
「ヘッドスライディングすると審判がセーフということがある」
とコメントを寄せている。

これはその審判がどのような目線で"ボール"と"着塁"を同時に見ているかという技術によるのではないか。
人間の目は2つ。
真横に並んで付いている。
くまモンの「くまもとが大好きでよかった!」ポーズのように首を90度倒さない限り、球とベースを同時に凝視するのは無理だ。

もしも審判がベースに重きを置き、ボールの到着を"音"に頼ったとする。
音は空気の振動で伝わるため、わずかに遅れる。
"ボールよりも手が早い"
という誤審が生まれる。

ヘッドスライディングに気圧され、ついつい足下に目線がずれる。
その分、ボールをとらえる機能の比重が"耳"に移る。


これは、人の機能の限界をついた戦略だ。
だからといって、闇雲にいつもヘッドスライディングしてはいけない。
故障のリスクが大きいプレーだし、乱発すれば審判も慣れてしまう。

2014年シーズン以降、
・シーズンの行方を左右する重要な試合である
・2死で3塁走者がいる
・その1点が同点、勝ち越しに関わる
このようなケースで内野ゴロを打った打者走者には、一塁へのヘッドスライディングを励行させるとよい。

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