日本のミッドシップの歴史 ホンダが再開
1984年6月に幕が開け、2007年7月に一旦閉じた日本のミッドシップスポーツカーの歴史。
2014年に再び、幕を開け直そうとしている。
ミッドシップは後輪の車軸の前にエンジンを置き、後輪を駆動する車のこと。
1983年
東京モーターショーでトヨタがSV3を発表した。
エンジンが運転手と後輪の間にあるため、後部座席のスペースがない。
従ってミッドシップは二人乗りにならざるを得ない。
晴海で見た、これまでのどんな車とも違う恰好に強く惹かれた。
2列シートの車しか見たことがなかったため、その違和感たるやない。
1984年6月8日
モーターショーから半年、トヨタMR2発売。
当時、人気絶頂だったAE86と同じ1600ccの4A-GEUエンジン。
価格もほぼ同じ183万円。
これが、日本初のミッドシップ市販車だ。
それから6年後の1990年
ホンダがNSXを発売
3000cc2人乗り、圧倒的なかっこよさ。
過去にも先にも、日本のスーパースポーツカーといえばNSXを置いて他にはない。
翌1991年、ホンダは軽自動車でもミッドシップを発売する。
ホンダビート
550cc2人乗り
そして、この車は日本初のミッドシップ・オープンカーとなった。
スポーツカー・ファンにとってみれば、これだけの楽しさを低価格で買える夢の車だった。
だが、ミッドシップは売れない。
というより2人乗りの車は日本では売れない。
例外としてマツダロードスターはよく売れたが、こちらはFFであり、ミッドシップの楽しさがない。
ミッドシップが楽しいのは、Rが大きいカーブを曲がる時だ。
片側2車線以上の交差点、クリッピングポイントを奥にとり、ぐっとアクセルを踏み込んだ時。
タイヤは地面に食いつき
車は素早く向きを変える
しかし、体が外側に持って行かれない
自分を芯にしたコマが旋回する感覚が、はっきりとわかる。
法律を遵守した安全運転のなかに快感がある。
それが、ミッドシップだ。
ホンダのミッドシップが早々に撤退したのに対して、トヨタはミッドシップメーカーの地位を守りつづけた。
MR2はモデルチェンジされ、1999年にMR-Sとなる。
1800cc2人乗り
MR-Sはオープンカーとなり、
世界で初めてシーケンシャルMTを搭載。
そのMR-Sも販売不振で2007年に撤退。
そこで、日本のミッドシップの歴史は23年で閉じた。
その間、ミッドシップを販売したのはトヨタとホンダだけ。
他のメーカーは1度も作っていない。
日産がモーターショーに出したMID4は結局、販売に至らなかった。
「二人乗りは売れない」
そう学習してしまった自動車各社。
ミッドシップの終焉は永遠になるかと思われていた
2013年11月東京モーターショー
ホンダブースに2台のミッドシップが並んだ。
NSXコンセプトは2015年市販と公表されている。
ただし、1000万円超えの車
買える人はごくひと握りだ。
軽自動車規格のS660は、コンパクトなNSXと言えそうなかっこよさ。
これに乗れば、つまらないサラリーマン生活も、きっと楽しくなる。
子供ができる前の若い人たちは、発売されたら、ホンダ・カーズに見に行ってもらいたい。
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