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2013年11月13日 (水)

デコの晴れ舞台が暗転、悪夢の2010年W杯

2008-09シーズン
デコ移籍1年めのチェルシーは、CL準決勝で敗退。
プレミアリーグは3位。
ただ一つ、FAカップのタイトルを手にしたが、なぜだかデコは一度もFAカップ戦に起用されなかった。

シーズンオフ、ホセ・モウリーニョが指揮するインテルがデコ獲得に乗り出し、デコに新たなる光が射すかに思われたが、チェルシーが移籍金をまけずに交渉決裂。
デコは出番のないチェルシーで2年めを迎えることになる。

2009-10シーズン
チェルシーはプレミアリーグは優勝、FAカップは2連覇。
CLはベスト16で、このシーズン優勝したインテルに敗れる。
結局チェルシーがCLを初制覇するのは、デコ退団後2年めとなる2011-12シーズンだった。

しかし、デコはほとんど出場機会を与えられることなく1年を過ごす。
足の状態が思わしくないことも、その一因だった。

2010年6月
W杯南アフリカ大会

ポルトガルは恒例となった薄氷を踏む思いの予選。
終盤にデコが10番をつけてからは神懸かり的な綱渡り。
ぎりぎりプレーオフで勝ち上がった。

デコは2度めの招集を受ける。
しかし、本戦においては10番ではなく、いつもの20番をつけた。

今回の監督はカルロス・ケイロス。
(2013年現在、イラン代表監督)
既に代表を引退しているフィーゴと懇意であることが、引っかかっていた。

大会直前にはレギュラーのナニが負傷でメンバーを外れた。
なに~?
日本のポルトガル・ファンは大いに嘆いたものだ。

この大会はデコファンにとって、悪夢の大会となった。
初戦、コートジボワール戦。
戦況打開のためにデコをウィングに配置転換したケイロス監督とデコが激しくやり合う。
後半16分にベンチに下げられると、このまま大会終了までデコは一切出場機会を与えられなかった。

試合後、デコがメディアに対して監督を非難した。
これが、監督にとっては許せなかったようだ。

グループリーグでは母国ブラジルとの対戦があった。
ベスト16ではかつてのチームメイト達がいるスペインとの対戦があった。

勝ち負けは別として、デコにとって夢のような2試合が実現したのだ。
デコ・ファンもこの2試合の実現を、心待ちにしていた。
しかし、デコはピッチに立つことなく、そのすべてをベンチから見ることになった。

2006年12月、CWC決勝で負けた時は悲しくて泣いた。
だが、この大会の不合理では、泣くに泣けない。
怒り、戸惑い、絶望・・・
とてもスポーツとは思えない人間の汚いところを見せつけられた。

デコはこのW杯をもって、代表を引退した。
数々のドリーム・マッチをファンに見せてくれたデコ。
ただ一つ見ることができなかったのは、デコとロナルドがいるポルトガルと日本代表の対戦。
真っ青に染まる国立競技場に、ポルトガルのユニフォームを着て陣取る・・・
そんな希望は、ついに叶わなかった。

W杯終了後、デコは欧州撤退を決める。
またも移籍金をまけないチェルシーにより、交渉は難航したが8月には、カンペオナート・ブラジレイロ(ブラジル国内リーグ)のフルミネンセに移籍が決まった。

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