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2014年1月31日 (金)

ギター一閃 楽屋から現れたリッチー

本編が終わると、数人のレインボー・ファンが出口へと急ぐ。
福岡県の端や他県から来ているファンは、乗り継ぎの最終電車やバスに間に合うためには、アンコールまで残ることができないのである。

もったいない。
代わりに聴いてあげるのに。

アンコール2回が終わったのを確認して客席へ入る。
ここからは、チーフの指示があった通り、迅速に観客を退出させなければならない。
かつて北海道で起きた事故は、ステージに向かって詰めかけた後方の観客によって将棋倒しが起こり、1人のファンが死亡した。
とにかく、何事も起こらぬうちに、ファンを外に出して無事故で切り抜けたい。
ようやく、場内に入ることができて嬉しい。
しかし、もうリッチー・ブラックモアは楽屋に引き揚げており、2度と出てくることはない。
そのステージには、撤収のためにアルバイト・スタッフが入っている。

「立ち止まらず、早く帰ってくださ~い」
聴衆に帰宅を促す。

とぼとぼと出口を目指す者。
名残惜しそうに、時おりステージをふり返る者。

ツアー・スタッフが主だった楽器を搬出したのだろう。
アルバイトがスピーカーやアンプと言った大物の搬出を前にして、段取りの指示を待っている。

事前の指示を忠実に守っている警備員の声かけにより、客席からは順調に客が引いている。
その数、3分の1ほどになった。
その時だ。

狂気の幕が開いた。

ギュイーン
スピーカーから鳴り響く、轟音
その音の主は誰にでも想像がついた。

ステージに目が行く。
出た!
そこには、何食わぬ顔をしたリッチー・ブラックモア

なにか問題ある?
とでも言わんばかりの素っ頓狂な無表情

ギュイーン
ががが ギュイーン

ギター一閃
たった1人で右の袖から現れたリッチー
リッチーまだ懲りてないのか。

次の瞬間、主催者にとって悪夢の事態
ゆるやかなクラシック音楽にかぶって、鳴り響くギター

なにごとだ?
もしかして!

そのかすかな音を聞きつけて逆流してくる聴衆
完全に冷静さを失っている。

「帰ってください」
「入らないでください」
せき止める係員

しかし、その静止に従う者はいない。

どけ、きさん

数名の係員は客から殴り倒されている。

かつての事故の反省にたち、整然と取り仕切られたライブが、想定通り常識的に終わった後、かつての事故の再現を狙ったかのような、常識を疑われる行為が破る。

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