« あんでるせんマジックに敬意を表すアイスコーヒー | トップページ | 地域密着のマジシャン! マジックパーラー あんでるせん »

2014年2月27日 (木)

超能力?カレーのスプーンはぐるぐる巻きだ!

厨房から会話が聞こえてこないところをみると、どうやら僕らはコックさんが1人だけの喫茶店に来ているらしい。

カレーがきた。



かつて在籍した学校の、学食のカレー皿と同様の舟形をした器。
その上にゆで卵。

Photo


そして、極めつけは柄の部分がぐるぐる巻きになったスプーン。
恐らくマジシャンであるところの店主が曲げて、ねじったものなのだろう。

カレーの味は、一見何の変哲もないもの。
しかし、食べ進むにつれて桃源郷が見えてくる・・・
わけはなく、どこまでいっても普通のカレー。
美味い!
ボンカレーと同じくらい。
ボンカレーで育った僕らの世代にとって
「ボンカレーのように美味い」
は最高の褒め言葉のつもりで言うのだが、言われたほうは複雑な表情を見せる。
だから、別に声に出しては言わない。

食べ終えてスプーンを置き、皿をかたわらに置く。
早く出たカレーにつづいて、その他のメニューが店内に行き渡ると、先ほどまでの緊張が和らぎ、店内に穏やかな空気が流れている。

記録的猛暑の夏
外はいい天気
室内は、文明の利器エアコンによって、ほどよい室温が保たれている。

今のうちにトイレに行っておいてください。
女将が告げる。
この後、ショーの間は立錐の余地もないほどに詰めて、一カ所に集められる。
その間、後列の端っこの人以外、身動きすらとれないのだ。

わっこれ曲がってるやないですかっ

となりに居た男が、僕が食べ終えた皿に目を付けた。

写真撮ってもええですか?

個別の一般客について、これ以上論評することは、したくもないし、読んでもつまらないと思うのでここまでとする。

アイスコーヒーを空にして、トイレを済ませて席に戻る頃には、すべてのテーブルから食器が下げられており、いよいよショータイムを待つばかりだ。

順番に呼びますので、場所を移動してください。

女将の仕切りが始まった。

カウンター席に陣取った人々はそのまま。
ショーはカウンターの向こうで行われるらしい。
つづいて、予め振られていた番号により、整列が始まる。
背の低い子どもはできるだけ前へ。
前の列と互い違いの立ち位置に並ぶ。

「ちょっと、左」
跳馬に臨む内村航平が見せるような、真剣な眼差し。
前の人の肩越しにステージへの視界が開けるよう、女将が1人1人の視線をチェックマしながら、立ち位置の指示をだして微調整していく。

東京の満員電車ほどではないが、11人乗りエレベーターに10人が乗り合わせているくらいの人口密集度。
都会の人は見知らぬ隣人との距離が詰まることに慣れている。
だが、田舎の人は違う。
自分のテリトリーである防空識別圏が広い。
ここに田舎伝説を確かめに来た田舎の人は、自分のスペースに他人が入り込んだ状態で、これから数時間を過ごすということに、かなりストレスを感じていることだろう。


それでなくても、立ちっぱなしというのは、運動をしている時を除いては最も辛い姿勢だ。
ショーの間を無事に乗り切れるよう、ウエストポーチに入れてきたOS-1ゼリーのキャップをひねって開けておいた。

| |

« あんでるせんマジックに敬意を表すアイスコーヒー | トップページ | 地域密着のマジシャン! マジックパーラー あんでるせん »

MKW」カテゴリの記事