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2014年2月 2日 (日)

M.S.G. 幸せそうなコージー・パウエル

所は福岡サンパレス。
この日もアルバイト。
レインボー公演の翌日はM.S.G.だ。

前夜のレインボーとは違い、M.S.G.はこのツアーでここまで何も問題を起こしていない。
配置につく前のミーティングでは、前夜のようなこともあるので、気を引き締めていこう!
という程度。
あんなトリッキーなことをするのはリッチーくらいのもの。
マイケル・シェンカーが何かやらかすとは思えない。
前日の緊張した面持ちから一転、今日は笑顔も見える。

 

今日の配置は、前夜の端役から一転、
なんと、バックステージのドリンク番だ。
前夜のドア外警備からすれば、ヒラ社員が正部長になったような昇進。
レインボーと同様、M.S.G.のファンでもある僕にとっては夢のような抜擢だ。
特にチーフとコネがあるわけでもないのに、この大役。
ロックの神様に思わず感謝せずにいられない。

バックステージというからには、ステージと楽屋の通路かと思っていたら、なんと持ち場についてびっくり。
コージー・パウエルが鎮座するドラムセットの真後ろだ。
そこに、縁日でぬるいジュースを売っているようなプールがセットされている。もちろん、マイケルやコージーにぬるいドリンクというわけにはいかないので、プールに張った水には巨大な氷がいくつか浮かんでいる。
ほんとに冷たいのかな?とプールに手を突っ込みたい衝動に駆られたが、それが原因で左遷されたらかなわないので、思いとどまった。

ライブが始まる。
ドラム・セットは客席から見るとステージの奥にある。
そのままでは目立たないので、土台の上にドラムセットが組まれていて、コージーがよく見える。
その裏側にいる僕からすると、その土台が巨大な壁になり、ステージ中央にいる、マイケル・シェンカーの様子をうかがうことはできない。
だが、音は当然のごとく筒抜け。

「Into the arena」
「Cry fot the nations」
といった名曲のギタープレイが間近に聞こえてくる。

なんて、上手いんだろう
高校生のような感想しか浮かばない。

演奏の合間、メンバーがドリンクをとりに来る。
マイケル・シェンカーもやってきたが、
へい、まいける
などと恐れ多くて、言おうとも思わなかった。

おれコーラね
ん?そのビー玉が入ってるのはなに?

なんてことは言わず、メンバーたちは自分でプールに手を突っこんで勝手に飲む。
栓抜きがそこにあったのか、すべて缶入りだったのか、ドリンクの銘柄はなんだったのか。
そんなことは、まったく覚えていない。

この時、M.S.G.のドラムスはコージー・パウエル
そのスティックは間近でみると、太鼓の「バチ」そのもの。

あんなバチでガンガン叩くのだから音が違うはずだ。
それにしてもあんな太いバチで2時間プレーするとは、いったい、どんな握力をしているのか。

コージーはとても幸せそう。
マイケル・シェンカー・グループは、彼にとって水が合う場所なのだろう。
ずっと、ニコニコしている。
僕も1曲いい?
って言ったら歌わせてくれそうだった。

コージーの真後ろで過ごした2時間。
数十年が過ぎた今、残念ながら、コージーの笑顔とバチの太さしか覚えていない。

M.S.G.ライブは平穏に終わる。
前夜における狂乱のリッチーとは違い、マイケル・シェンカーをはじめとするメンバーは、客電が灯り、楽屋に引き揚げると、2度とステージには帰ってこなかった。

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