録臭機 創っていますか?
子どもの頃、稲刈りが終わった秋の田んぼで遊んでいた時に嗅いだ枯れ草の臭い。
下関のおばあちゃんちに裏口から入ると、そこは台所。
醤油がしみついた臭いがした。
今もどこかで、その臭いを偶然に嗅げば、懐かしい光景が蘇るのだろう。
だが、そういう機会はない。
もう田んぼのある町には住んでいないし、おばあちゃんがかつて暮らした家には、もう随分長く行っていない。
できごとは映像で記憶の底に沈んでいて、時折なにかのスイッチにより想起される。
だが、臭いは記憶の底に沈んでいるのかもわからない。
録音機が世に出たのは1950年
録画機が世に出たのは1975年
もうずいぶん時が流れたが、録臭機はまだできない。
香りビジネスというものはあるが、それは「ムスク」「檜」など代表的かつ支持されたものを、任意に再現するに留まっている。
それはまだ、1人1人の個々の「臭いの記憶」に関わるものではない。
かつて、人は鳥のように飛びたいと願い飛行機をつくった。
かつて、人は戦争に勝ちたいと思い、核爆弾をつくった。
かつて、人は不治の病に沈む人を救いたいとiPS細胞を作った。
人類は不可能と思えることを可能にしてきた。
誰もが言う
「臭いは無理だろう」
それは、あらゆる記録は磁気や電気信号に変換するものだ。
そう価値観が固定されているからだ。
だが、価値観は盲点だった視点からえぐられた新しい認識によって、オセロのコマを返すように変わることがある。
今2時間3分台が世界記録のマラソン。
まだ、世界記録が2時間5分台だった頃、2時間切りはムリだよと誰もが言っていた。
しかし、3分台のランナーが現れることによって、科学者が2時間切りの可能性を試算し始めた。
いずれ彗星のように現れた強いランナーが一度2時間を切れば、脳のリミッターが解除されて、多くのランナーがそれにつづくだろう。
録臭機
誰か作ってくれていますか?
まだ、諦めていませんよ。
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