出世に失敗する七つの方法 最終話
6.人事部(人事部長)と仲良くなる
会社人にとって、人事部長と最も仲がよい時期は、新人研修の時です。
日々、接するのはこの時だけ。
配属されてしまうと、滅多に会うことはありません。
この時期は人事部長が話しかけてくれます。
「君はサッカーをやっていたんだって?」
「お父さんのお具合はどう?」
人事部長ですから、個人的な事情を詳しく知っているのは当然。
こういう会話の受け答えから、その人となりを探っているわけです。
ここで
「部長もサッカー好きっすか?僕なんて、ずっと補欠っすよ」
という受け答えをすれば、出世できません。
いわゆる、レールを踏み外すということです。
ある意味、人事部長にばか丸出しで接することが最強の出世回避策ですが、それを推奨するのはやめておきます。
人事部は聖域のような部署です。
会社人の生殺与奪権を握っているのが人事部。
出世というのは、上級職への発令によって確定します。
それを検討して決定し、宣言するのが人事部。
経理部が人事発令を出す会社はありません。
会社人ならば誰しも、人事部を敵に回すことはしたくない。
人事部の社員と仲良くなる。
人事部に顔が利く。
人事部長と仲良くなる。
どれも気持ちとしてはあっていいと思いますが、敵に回さないという程度の距離感が適当です。
なぜならば、人事部を特別視する発想の根本には
「期待への依存」
があるからです。
何処かで誰か(ここでは人事部)がみていて
自分によい立場を与えてくれるのではないか?
そういうのを「期待」というのですが、それに依存するのは危険です。
人事部はめざとい。
内容のない人を、親しいから、いい人だからというだけで認めてくれません。
また、人事部員も同じ会社人。
いつまでも人事部にいるとは限りません。
また、人事部の中も「給与」「福利厚生」「労務」といろいろなチームに分かれており、あなたが期待する「人事」の担当は一握りなのです。
7.上司を刺す
部下は上司を選べません。
(実を言うと、上司も部下を選べないのですが)
上司となる人は上司になるために生まれてきた訳ではありません。
生まれ落ちる国が違えば、おかゆをすする民衆に機関銃を向けていたような人が、この平和な国では部下を持ったりするのです。
1年に1度、確実に人事異動があると約束されていれば、時限の我慢をすればいい。
しかし現実はそうではない。
いつ終わるとも分からぬ無間地獄。
あなたは日々、恨みを心にためていく。
これ以上耐えると、自分が崩壊して危険だと思った時、あなたは上司のさらに上。
たとえば人事部に。
いわゆる「直訴」です。
直訴を受けた人事部はこれをどう見るか。
「直訴された側にも問題があるのだろうが、直訴した側に、より大きい問題があるのでは」
と言うことを疑うのです。
バランスよく、最適な人的配置をするのが仕事である人事部ですから、これは当然の姿勢です。
直訴した時点で出世はなくなります。
ここまで「出世に失敗する方法」を挙げてきました。
失敗より成功がいいと思います。
今年、会社人となった皆さんは、ここに挙げた方法を学び、それを回避することで成功の確率を上げて欲しい。
出世に失敗=人生の失敗
出世に失敗≠人生の失敗
イコールか、ノットイコールかは人によるでしょう。
会社を軸にするか、社会を軸にするかで変わります。
会社での失敗は悪ではない
成功する人の数より、失敗する人の数が多いはずです。
それは会社がピラミッド構造だから。
ただ一つ、うまく立ち回って利益を得ようと考えることは、屑への第一歩だと心得てください。
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