びんずる尊者の両膝に念を込める
長野駅に戻るシャトルバスは団体でやってきたランナーで賑わっていた。
つまり、うるさかったと言うことだ。
人は心許せる人がそばにいれば、気軽な会話を楽しみたくなるものだ。
本来それは、周囲にいる者にとって不愉快なものではない。
「ひざ、やばいっす」
「自己ベストいっちゃいます?」
「おいおい、このコースは前半は抑えめに入った方がいいよ」
単調で深みのない会話は、知的な思考力不足の為せる業。
だがスポーツでは、運動能力が優れていれば、それでなんとかなることもある。
「マラソンは知力のスポーツである」
とする言論を多々目にするが、体力で押し切ってしまうマラソンはその範疇にない。
長野駅東口に到着
そのまま駅を抜けて善光寺口へ。
長野駅は大規模な改修工事中。
あちらこちらが目隠しされ、工事中の場所には迂回路が施されている。
長野駅から善光寺はバスで行くと安い。
ということを今回の準備中に知った。
「びんずる号」という名の善光寺観光専用車両もあるが、路線バスが5分~10分おきに出ている。
これらのバスは長野市営バスではなくアルピコ交通が運行している。
アルピコグループは、2011年4月に松本電鉄・諏訪バス・川中島バスが合併してできた。
善光寺方面と書かれたわかりやすいバス停に、まさに路線バスが停車していたので乗り込む。
できるだけ前方の席に陣取り、整理券の番号と料金表をにらめっこ。
直前のバス停で、ようやく料金は150円であることがわかった。
人生において初めてのことは、いつもどきどき感を伴う。
ある時はそれが不安の重圧となり、押しつぶされそうになるが、今日は許容範囲だ。
およそ12分の所要時間で「善光寺大門」のバス停に到着。
同時にたくさんの高齢者がステップから降り立つ。
乗降口に階段がないノンステップバスではないが、皆大丈夫なのだろうかとこの時は思っていた。
バスを降りると目の前に、この旅最大のお目当てHEIGOROがあった。
後でお茶を飲みにくるつもりだが、まずは限定品をチェックマ。
ショーケースの左端。藤ロールはそこにあった。
11時から販売が始まる数量限定のロールケーキ。
ただし、生もののため、その日のうちに1本を食べきってしまわなければならない。
残念ながら、1人の旅マラソンでは手が出ない品だ。
それならば、クール宅配便で実家の兄に送ることはできないかと尋ねてみたのだが、やはり難しかった。
あとでお茶を飲みに来ますと言い残して、表参道を歩く。
信州のそば屋を検討する老夫婦。
はふはふと言いながら、できたてのおやきを頬張るおじさん。
そばアレルギーの者にとって、長野の旅は名物を食する楽しみがないのが残念である。
あとでお茶を飲みに来ますと言い残して、表参道を歩く。
信州のそば屋を検討する老夫婦。
はふはふと言いながら、できたてのおやきを頬張るおじさん。
そばアレルギーの者にとって、長野の旅は名物を食する楽しみがないのが残念である。
二度めの善光寺。
次回のご開帳は2015年。
人出はほどほど。
「7年に1度」と資料には表記されるが、7年はかぞえ年であり実際には6年に1度。
それならば「6年に1度」としなければ、1年の誤差が溜まっていくではないか・・
と考え出すと脳が疲れるので、すぐに忘れた。
山門の入口に階段。
昨今バリアフリーと言われる予備の入口はない。
本堂の入口にも階段。
やはり、スロープなどはない。
善光寺に参るためには丈夫な足腰が必要だ。
また善光寺に行きたいから、日頃から足腰を鍛えておこう。
そう思わせるよう"かだらだにやさしい"融通は利かせていないのかも知れない。
マラソンを終えて池上本門寺に参った時も、やはり本堂の入口に階段があった。
明日は最後までよろしくお願いします!
びんずる尊者の左膝をなでる。
右膝も大切なので、人垣を遠回りして反対側に回り込み、尊者の右膝にも念を込めた。
本尊の地下を進むお戒壇巡りは今回も見送り。
いつか観光で訪れた時、あるいはレース日に連泊して翌日観光する時には、地下まで入ってみたい。
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