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2014年5月23日 (金)

アビーロードB面メドレーを延々と聞かされる

「Father to son」
これも事前にリサーチしておいた1曲。
Procession につづくQUEEN IIオープニング曲だ。

しらべるでは「2枚目最強論」を唱えている。
それは、ミュージシャンの最高傑作はデビューから2枚目に現出するという仮説だ。

ただし、QUEENのそれは他のアーティストたちの2枚めとは少し違う。
1枚めの延長線、リニューアルではなく、むしろ一線を画した取り組みをしているのである。

それは、古い音楽用語でいえば「コンセプトアルバム」
A面の1曲めからB面の最後までが、あたかも1つの楽曲であるかのように、一本のストーリーが貫かれたアルバムだ。
ここに描かれているストーリーは「神話」である。

田舎町の一軒家で、ステレオアンプのボリュームを4分の3まで上げて(これはかなり暴力的な音量)
♪王位は父から子へ継承される♪
と歌っていた頃。
数十年後に、こうしてカラオケなるものにて、人前で歌う日が来るとは思っていなかった。

のちにJudas Priest も2枚め「運命の翼」を様式美をたたえたコンセプトアルバムとしている。


彼は初めて聴く様式美をたたえていた、未知のQUEEN(と言っても歌っているのは僕だが)に接して、どうやらスイッチが入ってしまったらしい。

彼がリモコンで選曲して送信。
画面の右上に次曲が小さく表示される。
歌いながら、それを視界の隅に確認する。
だいたい、あの"受信しました"表示は余計なお世話だ。
みんなを驚かせてやろうとした選曲が、歌う前からバレバレ。

えっ誰が歌うの?ファンファーレ?
俺も歌おう
などと言われると、選曲中止を押したくなる。
だいたい、断りもなく、人が歌っている最中にアナザー・マイクをとるやつの気が知れない。


彼が送信したのは「アビーロードメドレー」と表示された。
ビートルズ名曲のサビだけを集めたメドレーだな?
と思っていたのだが、それは甘かった。
あとでよく見ると「アビイ・ロード B面メドレー」だったのだ。

ビートルズ末期の名盤「アビーロード」
4人のメンバーが横断歩道を渡っているジャケットが有名だ。
このメドレーは、ほぼ丸ごとアビーロードのB面を歌うのである。
延々と・・・

それはB面メドレーじゃなくて、B面コンプリだろっ!
アビーロードは大好きなアルバムだが、目の前で丸ごと歌われるとさすがに目が点になった。



「Death on two legs」
II、IIIと様式美を追求してきたQUEENだが、つづく4枚め「オペラ座の夜」では趣向を変える。
ただし、A面1曲目だけは前作の名残を残している。
それがこの曲だ。
フレディカラオケファンならば、この歌ほどかっこよくフレディとして振る舞える曲はない。


「何曲かいっちゃってください」
さすがに、アビーロードをB面まるごと歌って悪いと思ったらしく、彼が順番を譲ってくれる。

「さまよい」
5枚め「オペラ座の夜」からロジャー・テイラーの名曲。
高い声は出づらくなっているが、裏声の出し方は喉が覚えている。

「フェアリーフェラーの神技」
QUEEN II のB面も、アビーロード同様、複数の曲がさながら1つの曲であるかのように連なっている。
その中から選曲。

すっかり魅せられた彼は翌日、デジタルリマスターのQUEEN II を手に入れたらしい。


「A song for you」


「ガラスのジェネレーション」
ここでお約束のALL FLOWERS IN TIMEから1曲。
気持ちよく歌っていたら、男の声が1つ被ってきた。
ふり返ると、彼がマイクを持って主旋律を歌っていた。
コーラスでハモるくらいならわかるけど、元春でデュエットとは・・


「Open arms」
つづけて、どうぞというお言葉に甘えて
ジャーニーの名曲

「高架線」
エルレガーデンからもう1曲。
若年層の人を前にしたらこれを「高圧線」と間違えて、ぼけるのがお約束だ。


「涙をぶっとばせ」
これまで9度のマラソンセットに入れた桑田佳祐の曲では、もっとも元気が出る曲を最後に歌う。

残り時間7分
「男達の挽歌」
彼がサザンを返して終了


この定期的な歌合戦は、高い声の退化を緩めるために欠かせない。
気の置けない唄仲間がここに1人いることが、ありがたい。

今回はマラソン直後ということもあり、基礎体力ばっちり。
家入レオに学び、とんこつラーメンスープも飲み干してきた。
だが、特別よく声が出たとは言えなかった。

来るべき次戦に備えて、新たな秘策を仕込まねばなるまい。

おわり

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