よくやった!西村雄一主審
W杯用語の最終回をお届けする前に、ここで臨時ニュースです(笑)
6月13日、ブラジルで「第20回W杯」が開幕しました。
20という縁のある数字の大会に、地元のデコがもう居ないのは大変残念であります。
(まだ言っている)
開幕戦はブラジルとクロアチアという好カード。
審判は西村雄一主審、相楽亨、名木利幸両副審の3人。
個人としてもチームとしても、日本人審判が開幕戦を担当するのは初めてのこと。
日本サッカー界の重鎮は「日本サッカーのレベルアップが認知された証左だ」と喜んでいます。
ところが、そうも呑気に喜んでいられない事態に。
クロアチアがラッキーなオウンゴールで先制、ブラジルが追いついて迎えた71分。
クロアチアがPKをとられてブラジルが勝ち越したのです。
そこで落胆したのか、さらに失点してクロアチアは1-3と敗れたのでした。
このPKに対してクロアチアの人たちが怒っています。
コヴァチ監督は「少なくとも我々は勝ち点1に値した」とコメント。
これは大手メディアが取り上げた、一見無難にみえる部分です。
そのココロは、ネットメディアが伝えているコメントに含まれています。
「強盗に遭ったようなものだ」
「残念ながら、あの主審は素人同然だった。こんな調子が続くなら今大会ではPKが100本生まれるだろう」
つまり、PKを取られなければ1-1でしのぎ、ブラジルを相手に勝ち点1がとれた。
それで「我々は勝ち点1に値した」となるのです。
選手のコメントはさらに下品です。
「英語を話さない審判を初めてみた」
「何か言っていたけどわからなかった」
英語が話せなければ、国際審判になれるわけがありません。
「何か言っていた」というのは、西村さんが「しっしっ」くらいは言ったのかも知れません。
(真に受けないように)
PKを取られた場面を映像で見ると、ファウルです。
クロアチアのデヤン・ロヴレンは、シュート態勢に入ろうとしたフレッジを、一瞬軽い羽交い締めにしています。
偶然手がかかったのではなく、悪意を持って手をかけています。悪意に強弱はありません。
ペナルティエリア内で守備側がファウルをすればPKというのが、フットボールのルールであり、西村主審はなにも間違っていない。
「英国では流す」
「あれがファウルならば、フットボールは成立しない」
と言った意見を述べる人もいるようですが、それは
「人を殺しても、つかまらなければ無罪だ」
と言っているようなものです。
それが、突拍子もないならば、身近な例を引くと
「横断歩道で横断しようとしている歩行者がいても、クルマは一時停止しなくていい。停まった方が追突されたりして返って危ない」
と言っているようなものです。
ルール通りにやることは、勇気が要ることです。
みんながルールを守らないで、おかしな空気を読み合っている。
ルール通り、ばか正直にやると「空気が読めない」「融通がきかない」などと非難される。
それではいけません。
他国の人がそういうならば、日本人が変えてみせればいいのです。
開幕戦において、勇気を持って笛を吹いた西村さんの判定を、他国の審判が支持してくれることを望みます。
そうすれば、今後の試合では汚いプレーが減り、点を取り合うゲームが見られるでしょう。
クロアチアの監督は「今大会ではPKが100本生まれるだろう」と言いましたが、そうはならないです。
PKを取られるとわかったら、相手に手や足をかける選手はいなくなるからです。
ファウルに厳罰がくだることで、今後、クロアチアチームが恩恵を受けることが、あるかも知れません。
その時、西村さんのことを「強盗」「素人同然」と言った人たちは、自らの言葉を思い返して欲しいと思います。
第20回W杯は、史上希に見るフェアでスリリングな大会になるかも知れません。
そうなった時の功労者は西村さんです。
フェアプレーでは定評のある日本代表、ポルトガル代表にとって、大きなチャンスがやってきたと言えます。
西村さん。よくやってくれました。
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