「うなぎなう」
土用の丑の日がちかづいている。
2014年は7月29日。
立秋の前18日間のうちの丑の日が「土用の丑の日」
丑の日は12日周期なので、土用の丑が1回の年と 2回の年がある。
直近では2011年が2回の年。「二の丑」の日があった。
江戸時代、平賀源内がうなぎを食べると夏ばてしないとして、夏場にうなぎを食べることを推奨した。
夏場に売上げの落ちるうなぎ屋が「丑の日」に「う」で始まる食べ物を食べると夏やせしないと宣伝した。
その始まりには大きく2説がある日本うなぎ界。
今や世界中の7割を日本で消費していると、四大紙が報道している。
土用の丑が近づくと、スーパーに行ってうなぎの値段を見ないことはない。
どうしたんだ?
養鰻業者が餌をけちったのかい?
と声をかけたくなるような痩せたうなぎ。
値札には 1,780円
たかっ
2年前の今頃、うなぎ価格が高騰し始めていたが、土用の丑の日を前にした週末。
今の君と同じくらい、痩せたうなぎが880円だったよ。
2011年以前ならば、これは一人で食べるには大きいなと思ううなぎでさえ、980円で買うことができた。
なんとかしなければならない。
もっと安くならないものか・・・
そう思っていたのが2012年のこと。
2010年
農水省委託プロジェクト「うなぎの種苗生産技術の開発」チームが完全養殖に成功。
2011年6月
学術研究船「白鳳丸」によるウナギ産卵場調査航海で、天然のニホンウナギ卵の採集に成功。
養鰻界には福音と思えるニュースが続いた。
2011年7月16日-10月16日には東大が鰻博覧会を開催。
産学それぞれが「日本のうなぎ食」を維持する努力をしてくれている。
うなぎ界の未来は明るい。
そう思っていたのだが、一転して2013年からは暗雲が垂れ込めた。
2013年
シラスの不漁によりうなぎが高騰。
各商社はタスマニアうなぎなど、世界中のうなぎ探しを本格化させた。
環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に指定。
これは、種の保存に日本うなぎ界が真剣であることを宣言したものだ。
2014年
国際自然保護連合がニホンウナギをレッドリストに載せた。
これで、2016年の次回ワシントン条約(絶滅の危機に瀕する動物の商取引を禁止する条約)会議ではニホンウナギが付属書1(商取引一切禁止)に載せられてしまう可能性が出てきた。
*ただし、日本とうなぎ輸出国の2国が付属書1記載を留保した場合、付属書2となり商取引はできる。
それでも、大幅に供給量は減る。
うなぎは一生に一度産卵に向かう。
川を下り海へ出て数千キロを旅して産卵場へ。
うなぎの幼魚シラスは同じ距離を旅して戻ってくる。
その長旅の途中、多くのシラスが命を落とすのだろう。
もしかすると、不自然に資源量が増えた鯨に補食されているかも知れない。
2014年はシラスの漁獲量が前年を上回ったが、かつてのそれには遠く及ばない。
天然資源のシラスを頼りにした養鰻では、もう現状は打開できない。
人工ふ化による完全養殖の実用化が待ち遠しい。
うなぎはビタミンA・B1・B2・カルシウム・脂肪・たんぱく質・鉄・ナトリウム・リンなどを含み、老化を防ぐ健康食。
早く安くなってくれなければ、日本人は皆老けてしまうよ。
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