古舘伊知郎 扇風機 迷言を語る背景
最近のGoogleはキーワードを自動提案するようになった。
ある言葉をいれると、ホットキーワードつまり、今、旬の話題を検索候補として表示するのである。
2014年7月25日、Googleで「古舘伊知郎」と入力すると
パソコン、スマホ共に「古舘伊知郎 パワーポイント」が1位提案された。
古舘が「パワーポイントを知らない」ということが話題になったのは2014年4月9日。
もう3ヶ月が過ぎているが、未だにそのネタをしらべる人が多いと言うことだ。
「わかる人にはわかるのかもしれませんが、私にはわかりませんでした」
夢見る研究者、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが「ミーティングで使ったパワーポイントの写真が間違って論文に載ってしまった」と言い訳した件で、解説を試みた古舘伊知郎がそう言ったのである。
パワーポイントを知らないサラリーマンは少ない。
パワーポイントを知らない学生は少ない。
パワーポイントを知らない主婦は多い。
パワーポイントを使えるサラリーマンは少ない。
パワーポイントを使える学生は少ない。
パワーポイントを使える主婦はほとんどいない。
所属事務所のサラリーマンである古舘伊知郎は「知らないサラリーマン」の一人だった。
だが、古舘はいろいろなことを知っている。
1977年
立教大学卒業 テレビ朝日入社
「ワールドプロレスリング」の実況を担当。
のちにフリーとなった後にCXでは「F1」実況を担当。
歴史、世相、映画と幅広い見識から繰り出す「古舘語」は、視聴者を笑顔にした。
アラン・プロストの「ぷろすと」を平坦に読んだことから定着した、英語固有名詞の抑揚なしの棒読みは「古舘読み」と命名されている。
古舘が従来の読み方と違う読み方をしたことには、次の意図が拝察される。
・その名詞に新しい価値観を持たせる。
・自分が共感、一体感、愛着を持っていることを伝える。
それ以降、本来のアクセントを抜き、抑揚をつけず平坦に読む人が増えた。
最近では「ライン」がそうだ。
英単語ではないが「くまモン」も古館読みである。
1991年
ガンで亡くした姉との記録「えみちゃんの自転車」を出版。
放送では垣間見ることができない、彼の心に沈む深い悲しみが浮かび上がっていた。
2003年8月
「ニュースステーション」の久米宏キャスターが降板を発表。
この時点では番組名存続、後任として古舘伊知郎が起用されると思われていた。
ところが、久米の降板と共に番組は終了。
後継の別番組で古館が起用されることになった。
古館はこの一件で、久米への反骨心が強くなったようだ。
2004年4月5日
「報道ステーション」の初回放送では、いかにすれば久米に似ないで済むか。
二番煎じと見られるのだけは避けたいという気負いが感じられた。
「報道ステーション」開始からおよそ6年は、地図のない航海だったのではないか。
事実を客観的立場で伝えるものとされてきたニュース番組で、読み手が私見を述べるという手法を確立した久米に対して、古館の久米を超えたいという気負いは、時として裏目に出た。
口を開けば「万国悲惨物語」ばかり。
日本を暗くする報道に熱意を注いでいるかのよう。
大陸の大きな国の名を挙げて、日本は先方にもう少し気を使わなければならない。
といった何処の国の人かわからないようなことを言うこともあった。
「民主党、金(の問題)で(自民党を)追究してもですね、憲法に関してまったく同じだというイメージになりますと対立軸っていうものが見えない感じがするんですが」2005年2月2日
与野党は対立しなければならないという古い私見には、開いた口がふさがらなかった。
ところが、2010年頃には気負いがとれ、庶民目線の実直な姿勢に転じる。
見ている方向が庶民と同じ向きになった。
彼の中でどのような化学反応があったのかは知る由もない。
とにかく「人は変われる」という珍しい例となった。
2014年4月
「パワーポイントは普通の人は知らない」と言って笑われたかと思うと、
2014年7月24日
「停電でエアコンが使えない時は扇風機で熱中症対策を」とやってツイッターを賑わせた。
朝日新聞社の雑誌「AERA (アエラ)」2014年 7/14号では「テレビは嘘しか伝えていない」と語った古舘伊知郎。
今何を思い、なぜ、迷言、本音を語る?
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