武雄市図書館 開架100%という幸せなカタチ
9:28
棚から抜いてきた1冊めを読み終えた。
019.1.せ
NDCは振ってあるが、棚の並び順は図書館独自のもの。
というよりも、この図書館の運営を武雄市から委託されているTSUTAYA(CCC)独自のものだ。
1階を見下ろす。
三々五々、遅い朝食に人々が起きてきたリゾートホテルのフロントを見下ろしているよう。
広さは佐世保図書館と同じくらいか。
ここに20万冊が並んでいる。
武雄図書館は蔵書のほぼすべてが開架。
閉架はほとんどない。
図書館通いを趣味にする人でない限り、この開架・閉架という言葉には馴染みがないだろう。
開架は公開された図書。
一般利用者が棚で探すことができる。
閉架は書庫に仕舞われた図書。
一般利用者は検索機で探して、司書に閲覧・貸出を申し込むことができる。
開架と閉架の比率は、図書館によってまちまち。
佐世保市立図書館の場合、蔵書45万冊のうち、開架がおよそ20万。閉架が25万。
従って、一般利用者の目に見える本の数は、武雄市図書館と同じということになる。
埼玉県ににある大宮鉄道博物館の図書館は閉架が100%。
すべての本は、検索して司書に頼まなければならない。
図書館職員にとって最も楽なのは閉架100%。
利用者が棚を触らないので、本はNDCで並んでいる。
リクエストがあった時にピックアップするのも容易だ。
図書の傷みも少なくて済む。
図書館職員にとって最も大変なのは開架100%。
利用者が元にあった位置に戻さないことがあり、本来あるべき位置に並んでいないことがある。
時々巡回して並べ直さなければならないし、リクエストがあった時のピックアップにも手間取る。
図書の傷みも進む。
では利用者にとって、最もいいカタチはどうだろう?
人の興味は、常に明確なカタチをとっていない。
あいまいに存在しているが、興味のあるものごとへの感度が鋭敏になっている。
棚を流している時、そのアンテナが本をキャッチする。
借りていく本の枠がまだ余っている時、
「今、僕は何に興味があったんだっけ?」
そう、脳に問いかける。
平和な国で誰の強圧もうけず、好奇心を追究する時間がもてる幸せ。
開架ほぼ100%の武雄市図書館は、その知的好奇心に応えるベストのカタチといえる。
本から目を上げると、外に日が差している。
武雄の予想は29度だったが、暑くなりそうだ。
老眼が急に進んだのか、本の字が見づらい。
二人に1つの割合でシェードがついた弱い照明。
読書する場所ではないので、光量が足りないのだ。
パソコンをする分には支障がない。
心憎い仕掛けだ。
つづく
| 固定リンク | 0
「趣味」カテゴリの記事
- 西九州新幹線開業 佐世保には新幹線が来なかった理由(2022.10.01)
- 祝!きょう 長崎新幹線開業 5分でわかる西九州新幹線の歴史(2022.09.23)
- マンションで「熱弁」の隣人に気遣いながら、ラジカセを聴く(2022.08.20)
- ラジカセ生活は、ラジカセ+音楽カセットへ(2022.08.07)
- 2度目の空也上人展で空也上人立像フィギュアをゲットだぜ!(2022.04.27)