スカイバスのぼるくんで、武雄のパノラマ独り占め
「スカイバスのぼるくん」は武雄温泉保養村、池の内湖と展望台を結ぶスロープカー。
料金:大人片道100円、往復200円
就学前児童は無料
1993年7月1日運行開始。
運転手は1人。
お客も僕1人。
2両連結のうち、山側のゴンドラに乗車すると、のぼるくん、すぐに出発。
居室には家庭用のエアコンが、そのまんま取り付けてあり、とても涼しい。
乗り場の駅舎を出ると、はじめはほぼ水平に真っ直ぐ進んでいく。
前方に運転席があるわけではないので、進行方向の景色は、貸し切りの入れ食い状態。
だが、よく見えない。
アクリルの窓ガラスは、運行から11年の年月の間に無数の傷が入り、視界が曇っているのだ。
直線が終わり、左にレールがカーブすると、そこからは傾斜にさしかかる。
高低差80m。
最大斜度23度。
日常生活で斜度23度を経験することは、ほとんどない。
ここは滅多にないシャッターチャンスとばかり、一眼レフを前方に向けるが、何も映らない。
のぼりに入って車体が傾くと、前方の景色はほぼ空だけになる。
空からは真夏の太陽が武雄を照らしていて、アクリルの窓ガラスに乱反射するのだ。
わっ、何も映らん
というぼやきが聞こえたのか、運転手さんが窓の外から1枚撮らせてくれた。
23度というのは、体感としてはほぼ垂直。
だが、上りでは怖さは感じない。
復路の下りの場合、高い所が苦手な人はかなり怖いだろう。
距離にして488mを片道7分でのぼる。
あっという間に往路が終わった。
終点の展望台からは武雄を一望できる。
そう、下しらべがついている。
この次の下りは何分ですか?
炎天下、恐らくなにもない展望台での待ちぼうけはキツイ。
次にのぼるくんが登って来るダイヤを確認しておこうと思っていたのだが、運転手さんからは返ってきたのは意外な言葉だった。
「待ってますよ!写真撮るだけでしょ?」
え゛ほんとですか?
それじゃ、ちゃちゃっと撮ってきます。
言うが早いか、カメラを持ってのぼるくんを降りる。
展望台は、のぼるくんが停車している、その真上だった。
近っ ^^;)
展望台のカタチは、ゲルショッカー結団式が行われた猿島の展望台に作りが似ている。
恐らく、同時代に設計されたに違いない。
というのは、後で思ったことであって、その時はとにかく急ぐ。
自分のためだけに、のぼるくんが待っていてくれるなんて、こんな僥倖はない。
そのご厚意には、最大限、真摯に応えなければならない。
展望台を時計回りしながら、武雄の景色をフィルムにメモリー媒体に納めていく。
右奥には、いつも走り慣れ親しんでいる長崎自動車道。
トンネルを出た所から、なだらかな下りの直線になっていて、スピードが出過ぎないよう、いつも慎重になるあたりだ。
画像データのタイムスタンプを見ると、1枚めが14:25。
10枚めが14:27。
わずか3分でほぼ360度のパノラマを撮り終えると、運転手さんが待つのぼるくんへ戻ってきた。
つづく
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