橋本環奈イベント④ 年下に託す
サトウさんが続ける。
もう前の方には整理券が出ているらしいです。
定期的に整理券を配りに来るみたいですよ。
この時すでに40人あたりまでには、整理券が出ていたのだ。
それでも列に着いて整然と待つ人々。
オタクの一員として誇りに思う。
オタクは皆、礼儀正しい。
オタクは皆、ルールを守る。
日本が誇るサブカルチャーは、日本の伝統を継承するオタクが支えているのだ。
腰が痛くなってきた。
1時間走るのは得意だが、1時間立ち続けるのは苦手だ。
椅子に座りたい。
そのために、折りたたみ椅子も持ってきている。
マラソン当日の着換え用に買った軽量の組み立て椅子だ。
組み立て前はとても小さいので、ウェストポーチに収まった。
この小さいポーチに椅子が入っているとは、誰も思わないだろう。
(そもそも他人に関心はない)
だが、地べたにあぐらをかいている一人を除いて、
皆、静かに立っている。
ここは公共の歩道であり、座り込みは良俗に反する。
早出してこの場を取り仕切っている主催者に申し訳ない。
それ以前に、1人だけ座るのはみんなに悪い。
後ろをふり返ると、この30分で10人くらいしか増えていない。
サトウさんはこう分析する。
1年前「花屋敷」に来て、そこから東京でも火が付いた。
現在、東京ではブレーク前夜というところではないか?
10:00
ふり返ると、後ろには30人。
1時間前時点で80人待ちということになる。
恐らく、この次に同様のイベントがあった時は、もうこれでは済まないだろう。
サトウさんとは、いくらでも話していたかったが、こちらには何も提供できる情報がない。
質問はやめて、持参した「壁を打ち破る」松井秀喜著 を取り出す。
松井秀喜がメジャー3球団めに移籍した頃、出版された「告白」を改題・加筆して文庫化したものだ。
巧く書いていないことで、返って真摯に読むことができる。
読み進めていくうち、巨人が彼を次代の監督候補としている理由がわかる。
そういえば、松井秀喜は自分が初めて頼りにした年下だった。
それ以来、未来を託せる人はほとんど、年下になった。
彼は、いつも目の前のことに幸せを感じている。
幸せですとは書いていないが、伝わってくる。
賭けられるものがある幸せ
何かを待つ
待てる幸せ
腰は痛い
それさえなければ、ずっと待っていたい。
ソファと本があれば、恐らくずっと待っても苦にならない。
曇りがちゆえ暑くも寒くもない。
秋の風が心地よい。
手にした整理券の安堵感が支えとなり、幸せな時を噛みしめていた。
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