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2015年3月22日 (日)

横浜マラソン2016は誰でも1日のお休みが付いてくる。

印象的な半月の形をしたヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテルを右手に見ると、ゴールまではあとわずか。
ゴール前、最後の交差点となる「パシフィコ横浜前」を右折すると、ゴールはすぐそこ。
そう油断していると、ゴールまでの取り付け道路は上っている。
ここで上らせるのかよ
サブ4、自己ベストがぎりぎり見えている。
ラストスパートに入っている時に、この上りは横浜マラソンが用意した最後のカード。


右手には横浜マラソンのイメージカラーである鮮やかな看板。
あと195mの看板としては、この大きさは世界一ではないか。
あと195mということは、42km地点だよな・・
よく見ると、看板の右ふもとに「42km」のプラカードが横たわっていた。
一応、用意したんだ・・
この看板はグッドセンスだ。
造った人は恐らく、ユーモアに溢れる人だろう。
他のマラソン大会では「42km」の距離表示を見て、ランナーは「あぁ、あと195m」だなと情報処理する。
その処理を1回路省いている。
海につづく最後の道に用意されたいかした海路図を、しばらくじっと眺めていた。
ゴール地点は二重、三重の人垣ができている。
ゴールポストの計時は、5時間2分を掲示している。
グロスでは5時間を超えたが、このあたりを走る人は誰もがロスタイムを持ってスタートしている。
ネットでは5時間を切ることができた人たちだ。
5時間切りを目指していた人たちにとっては、栄光のゴール。
4時間半切りを目指していた人たちにとっては、最低限のゴール。
どうやら前者の人が多かったらしく、95%のランナーが両手を上げたグリコポーズでゴールしていく。
僕は一度もあれをやったことがない。
佐野元春の「SOME DAY」にも右手を突き上げない。
人がやっているから自分もというのは、恥ずかしい。
いつか、グリコポーズを決めたいというわけでもない。
会心のレースで好タイムを出したとしても、手を上げるより、早く時計を止めたい。
ゴールを見下ろす場所にはDJブースがあり、ゴールしたランナーのコメントを紹介している。
この趣向は初めて見た。
48種類のラッキー給食
(時間を区切って提供されるため、速いランナーが全部食べ尽くしていくことがない)
ボランティアによる、18か所それぞれのパフォーマンス給水。
いいと思ったことは、なんでもやってみようという気概が見て取れる大会だ。
どんな大会でも文句を言う人はいる。
それは参加したランナー、大会を支えたボランティアを問わない。

世間に目を向けてもそうだ。
景気がよくなり、失業が減り、学生の就職内定率が上がっても、褒める人は少なく、我田引水の持論で非難する人のほうが多い。
非難する方が、ものごとをよく考えていて、論理的な人にみえる。
だが、そういう人にはアイデアがない。


機械の新製品は初期ロットに不具合が出ることがある。
それを見越した人は、動作が安定するまで買い控える。
スポーツ大会も第1回に、至らぬ点が多いことは自明だ。
それを見越してでも、記念すべき第1回に身を置きたい。
そう思った人は多いはず。
だが、そういう人が積極的に好意的な発言をすることが少ない。
主催者の側に立って発言するエンスージアスト(熱狂的ファンづくり)が必要だ。
悪いことは悪い。だが、いいところもこれだけある。
そういう視点が、論理的非難家と一線を画する。

3kmの道のりを3時間近くかけて歩いてきた。
時々、立ち止まってはランナーを応援して。
時々、ボランティアと話しをしながら。
とても喉が渇き、腹が空いた。
するとちょうどそこにコンビニがある。
以前、東京マラソンを走った後、ゴール会場のコンビニで空腹を癒そうと駆け込んだことがある。
だが、おにぎり、パン、弁当の棚はすべて空になっていた。
ところが、ここデイリーヤマザキパシフィコ店の棚は、ぎっしりと食べ物で埋まっていた。
臨時の仕入れ配送体制を敷いたのだろうか。
みごとな運営だ。
マラソン大会は、ゴール後にどれだけ食べられるかも大切なポイントだ。
主催者が全員にうどんを振る舞う「とくしまマラソン」のような大会は、印象がよい。
一方、近隣のコンビニに食べ物がない。あるいは、コンビニすらない。
そういう大会はランナーの不興を買う。
ここが走り終え、着換えて外に出たランナーが、大会と最後に接するポイント。
横浜マラソンにとって、デイリーヤマザキパシフィコ店のがんばりは重要だ。


来年2016年も第3日曜日に開催されるならば、開催日は3月20日。
その日は2016年の春分であり、翌日が振替休日。
サラリーマン・ランナーは1日休める。
有給休暇を取りづらいランナーにとっては、ありがたい日程となる。

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