横浜マラソン みなとみらいに待つクライマックス
40km過ぎ
「開港広場前」交差点
なだらかな左カーブ、切り返して右カーブ
直線に入ると、はるか遠くにランドマークタワーが見えている。
と言ってもこれは写真に映っているだけで、実際にどれだけのランナーがその存在に気づいたことか。
足が動いていて、視野が広いランナーだけが、見慣れたその造形を捉えたことだろう。
交差点の角には横浜貿易会館。
このあたりは、どこのレストランも客席はいっぱい。
中には行列ができている店もある。
ここは、マラソンがなくても、日頃からたくさんの人が集まる観光地なのだ。
この交差点でも、ランナーパスが行われている。
「曲がり角の向こうには、きっと一番良いものが待っている」
と言ったのは村岡花子だが、ランナーにも同じ気持ちがある。
見通しの利かないカーブ
その先にあるのは上り坂、下り坂、あるいはゴールのある競技場。
いろいろなものを想像してランナーは走っている。
クリッピングポイントを抜けた時、前方にどこまでもランナーが連なっているとげんなりするのだが、ここは先が見通せる。
「報道」のビブをつけたランナーが往く。
その隣にいたのは石原良純。
この日、初めてサブ4達成したと、後で聞いた。
「報道」のビブをつけたランナーが往く。
その隣にいたのは石原良純。
この日、初めてサブ4達成したと、後で聞いた。
「あっ、きたきた」
応援に来た人たちがランナーを見つけて声をかける。
応援に来た人たちがランナーを見つけて声をかける。
「失速しちゃったよ」
「これ、ラッキー給食」
ランナーは、立ち止まらない範囲で精一杯の誠意で応援に応える。
自分は10回マラソンに出て、知人が応援してくれたのは1回きりだが、あの時の嬉しさは忘れない。
体力の限界に挑む、孤独な晴れ姿を誰かに見て欲しい。
誰もがそう思っている。他の誰かと同じように。
だが、実際に、そんな「リア充」ランナーは少ない。
大半のランナーは、誰一人知人の応援はない。
それでも、見知らぬ大勢の応援がある。
家の近所を走っていても、人気のジョギングコースを走っても、誰かが応援してくれることはない。
(10年間で1度だけ、おじいさんが「がんばれ~」と声をかけてくれた)
だから、マラソン本番は特別なもの。
42kmに渡る、発表会なのだ。
信号わずか2つ「横浜税関」の交差点から、コースは90度右折。
クライマックスのみなとみらいエリアへ進入していく。
ここで第18給水。
マラソン大会日本最多の18を数えた給水所も、ここが最後。
ここではボランティアが「アンパンマン」キャラクターのお面を被って、給水に当たっている。
隣接してパフォーマンスエリア。
ダンサーのチームがアップテンポなお馴染みの曲に合わせて、チアリーディング。
給水所と合わせて、ランナーの視界にこれほど人が溢れるコースはないのではないか。
これが、ここまでの17か所で行われていたとしたら、
そう考えると、鳥肌が立った。
統計上、好天が約束された日程。
この人数と工夫をかけた応援。
この点でも、横浜マラソンは「買い」だ。
来年は、ここを走るのもいいな。
そう思い始めた。
この点でも、横浜マラソンは「買い」だ。
来年は、ここを走るのもいいな。
そう思い始めた。
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