たこやき屋になっていた黒田庵
黒田庵はどうなっているだろう。
数ヶ月前、しらべるに掲載している黒田庵の記事をみた読者が、ついに店が閉まったことを知らせてくれた。
ひっそりと住宅街にたたずむ黒田庵・・・
そんな映像を覚悟して車を寄せると「営業中」の看板。
なんと幟がはためいているではないか。

そこは、たこ焼き屋になっていた。
黒田庵のネームプレートは取り外されている。
お店に入ってみると、見覚えがある顔。
謎の中国人の大将がなくなったあと、店を守っていた今くるよに似た奥さん
ではなくて、そのお孫さん。
確か、お孫さんだよね?
数年前、ご主人が亡くなったと聞いて「上定」を食べに来たときは、まだ高校生くらいに見えた。
はいそうです。
快活な応えが返ってきた。
この後宴会でなければ、買って帰りたいところだ。
いつかまた、この店が定食屋として、学生やサラリーマンで賑わうことを祈り、店を後にした。
事前に調べておいた駐車場にクルマを停める。
今日はこれを理由に、烏龍茶宴会だ。
酒を一滴も呑まない宴会は、会話の相手に恵まれれば好適だが、裏目が出た場合、悲惨だ。
ひたすら冷静に、その寂しい状況を分析する時間となってしまう。
約束の時間より10分前に着く。
まだ集まっているのは10人ほど。
今日は総勢40人ほどになるという。
店舗の二階座敷を貸し切り、在籍年代別に着席する。
席につくと、同期女子が先着していた。
卒業以来の再会だが、まるで変わっていない姿に驚く。
同窓会に来る男は禿げていない。女は太っていない。
というのが、しらべるの持論だ。
もう子育て世代ではないが、今度は親族の介護世代にさしかかっている。
スケジュールが合わないなどの理由で、顔を出さない人にはそれぞれの理由がある。
この愛好会の歴史は、およそ15年ほどだ。
1990年代に途絶えたらしいが、誰もその詳細を知らない。
最年少の参加者ですら「自分が卒業した後に途絶えたらしい」という程度の情報しか持っていない。
インターネットの普及で、ずいぶん昔のことまでわからないことは無いと言っていい時代になったが、その情報に接していた人々が10人以下の場合、Google先生をもってしても、真相に迫ることは難しい。
約束の時間が来て、まだ数人が着いていない。
だが、この後のスケジュールが押す。
二次会も予定されている。
幹事が開宴のスピーチに入っている。
同窓会が始まった。
乾杯の発声は、皆の人気者だった一学年先輩のAさん。
外見は少々変わったとはいえ、語り口は変わらない。
そこにいる誰もが、グラスを片手に口元を緩めて聞き入っている。
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