プレゼンで「えー」を言う理由
パソコンを家庭に普及させたきっかけはWindows95。
2015年11月がくると、Windows95が登場して20年になる。
企業が一斉にパソコンを導入したきっかけはWindows2000
Windows serverの流れをくむ安定性と、Windows97から引き継ぐ使い勝手の良さ。
そこからメールがエクセルが、そしてパワポが仕事のツールとして会社にやってきた。
パワポがOHPに取って代わり始めたのが2000年。
従って今年は、パワポ時代に入って15年になる。
OHP時代、プレゼンということばはなく、それは「発表」と呼んだ。
他社に営業に出かけた場合は「説明」だ。
日本の会社では「発表がうまい」と褒めることはない。
なんだか「中身がない」と言っているみたいだから。
「説明がうまい」と褒められても嬉しくない。
褒めなくてもいいから、買って欲しい。
ことばが「プレゼン」に変わって久しい今も
「あなたはプレゼンがうまい」というほめ方は聞かない。
それ自体がオーソライズされた価値観ではないからだ。
プレゼンがうまいと基本給が1,000円上がるという会社はないだろう。
仕事は中身が勝負。
説明のうまさは問われない。
プレゼン上級者の条件として筆頭に来るのは
「えーっと」「えー」「あの~」を1回も言わないことだ。
これができる人は話しぶりだけでなく、その内容もよくなる。
現実に各社からやってくる営業は「えー」「あのー」を連呼する人ばかり。
初老の営業マンが演壇に立つと、すべての文節の先頭に「えー」をつけるので、本題がまったく頭に入ってこない。
話しを聞き終わっても、彼の脂汗と、時折まざる変な関西弁しか覚えていないと言うことがある。
営業マンは関西に住んだこともないのに、なぜか、おちゃらけは関西弁で喋る人が多い。
彼らが入社した頃、発表といえばOHP。
入魂の手書きトラペンの油性マジックに込められた気合い。
踊らぬ文字の代わりに、熟練のマジックトークが冴える。
そんな世代には、字も絵も踊るパワポのスピード感は間合いが合わない。
どうしても「えー」で間を取らないと、調子が出ないのである。
それでは「えーっと」「えー」「あの~」という話し手を、聞き手はどう思っているだろうか。
1.滑舌が悪い。
しゃべりの切れが悪いと、頭の切れも悪い人に見える。
社内の人間ならば、この人は対外プレゼンでは使いたくない。
2.頭の中が整理されていない。
自分でなにを言っているか、分かっていないのではないか。
では「えーっと」「えー」「あの~」を言わない話し手を、聞き手はどう思うか?
1.なぜだかわからないが、聞いていて心地いい。
それが「えー」を言わないからだということには、気づきにくい。
2.シンプルでわかりやすい。
添加物を加えない純米酒が、すっきりとしていて「飲みやすい!」と思う、あの感覚だ。
雑音が含まれない、流暢な日本語は聞き心地がよい。
つづく
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