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2015年3月14日 (土)

シューマッハに替えちゃえば

AIR ZOOM TURF シューマッハは、発売当初からプレ値ショップでは3万円以上で販売された。
元値の2倍である。

「NOMOMAX」を買った時は、靴コレクターになるつもりはなく、会社で履けるからと「TOTAL MAX SC」に手を出したところで止めるつもりだったのが、シューマッハに手を出した経緯はこうである。

「NOMOMAX」を入手した時点で、シューマッハは既発であり、Get on! や Boon!のプレ値広告を見ては、格好いいけど高いな。そもそも靴を集めるつもりはないし・・・
その程度に考えていた。

ただし「NOMOMAX」は苦労して入手しただけに"履く靴"以外に"取って置く靴"が欲しかった。
そこで、巡回していたあるプレ値ショップで、2足めの「NOMOMAX」を入手。
27,800円也。
だが、1足め(27.0)を履いていて、サイズがきついことがわかっていた。
そこで、店頭になかったサイズ(27.5)を取り寄せるという約束で購入決済した。

一週間後、もう入荷しただろうかと巡回したところ未入荷。
顔なじみの店員Aさんは少し困り顔。
市場に定価売りの「NOMOMAX」はなく"並行輸入"と称して調達してくる店もない。
そんなことは口にしないが、入手が難航しているらしい。


ふとみると、サイズ違いの「NOMOMAX」のヨコに、燦然と存在感を放つ赤・黒のそれがあった。

わっ、シューマッハじゃないですか?
値札は3万円。
雑誌広告のプレ値と較べれば最安だが、やはり元値の2倍。


「今日入ったんですよ」

かっこいいなぁ・・
この目で見て、手に取ると心が弱くなる。
靴は2足で打ち止め。
そう決めている。

佐野元春だったらここで
「もう一足いこう!」
と言うだろう。

するとAさんが苦肉のセールストークを吐いた。

「シューマッハに替えちゃえば」

即Get!

「NOMOMAX」に払っておいた27,800円に、差額の2,200円を払って、シューマッハにしちゃえば?
というAさんの言葉は、こうして数十年が過ぎた今思うに、悪魔の啓示だった。

それは、シューマッハ1足を手にしたからではない。
「減量のための散歩で履く」←NOMOMAX
「会社で履く」←TOTAL MAX SC
はじめの2足には大義があった。

だが、かっこいいというだけで、まったく大義のない靴を買った。
ここで、歯止めが効かなくなってしまったのだ。
手元の記録では、これに続く3ヶ月で8足を買っている。
Aさんのセールストークは、まさにパンドラの箱を開けてしまった。


それから18年。
シューマッハにお別れする日が来た。
もう現役はとっくに引退している。

NOMOMAX」などのビジブルエア搭載靴は、加水分解により目に見えて崩壊してしまう。
そこで、捨てる踏ん切りが着く。
だが、ZOOM AIRは見た目に損傷がわかりづらい。

誇りが被らぬようかけて置いた布をはぐってみると、アーチ部分の装飾が醜くただれていた。
格好良さが取り柄のこの靴。
見た目が損なわれた時が、捨てる時と決めた。


この靴を履いて出かけた鈴鹿サーキットのF1観戦。
雨のレースだった。
ペースカーが何度かはいったため、終了が遅くなり、予約しておいた近鉄特急に間に合わなかった。
それでも、普通ダイヤに席を得て、鈍行に揺られる旅は楽しかった。

「おっ、シューマッハ」
と言われ嬉しかったが、内心では
「履いている方は辛いんだということはわからんだろうなぁ」
と思っていた。
モノには思い出が宿る。

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