MRIを頼んだら、えむあーるえーもついてきた
「頭を打ったとかいう場合ならば、脳神経外科なのですが。頭痛の場合はまず内科のご案内になります」
脳神経外科のモンを叩くために、会社を休んで来たというのに、受付女性はにべもない。
そういえば、4ヶ月前マラソン練習中に転倒して頭を打った。
「1ヶ月前ならば外科ですが、それだけ間空いてますから内科ですね」
それでも、脳神経外科を受診したいと要求して、順番を待った。
そこまで食い下がったというのに、受付から渡されたカルテは「内科」行きの切符だったのである。
内科フロアに通されてから、待つこと1時間
平日だというのにずいぶん混んでいる。
というよりも平日に病院に来ることはないので、自分が世間知らずなだけか。
大半は杖を片手にした老男女。
「ちょっとここに座ってて。動かないでね」
老母に付き添ってきたおばさんが、スマホを握ってどこかへ消えた。
老母の不安が空気伝いにわかる。こういう不安を耐えるくらいならば、惚けた方が楽だ。
平均年齢が高いせいもあり、待合室でスマホをにらんでいる患者は見あたらない。
電波を出さないとは言え、スマホでKindleを読むのは周囲の理解が得られないだろうと、新書を持ってきておいてよかった。おかげで、まとまった読書時間がとれた。
整理券の番号がディスプレイに表示されて、マイクで名前が呼ばれる。
脳神経外科にかかりたいと言っている客を、内科に通すなんてどういうことだ!
ぷんぷん
ところが、そんな怒りは、滑りのよい引き戸を開けた時に何処かへ飛んでしまった。
医師の感じが良かったのだ。
人の話を聴いてくれる人は、その空気を全身に醸し出している。
人は誰でも愛されたい
人に承認して欲しい
それは自らが、他人から承認された自分を承認したいからだ。
人の話を聴いてくれる人には、承認されるという信頼感が沸く。
だから、人の話をよく聴く人は信頼される。
人は、人の話を聴く人の周りに集まる。
その医師は一見して、そういう人だとわかった。
昨今のマイ頭痛について、できるだけ詳細かつ客観的に話す。
これまで本で読んで得た知識など、すべて封印する。
医師を信頼しているから、そんなことを持ち出すまでもない。
医師の所見は率直であった。
手短なコトバで書くと次のようになる。
「要観察でいいとは思うけれど、脳のことなので本当のことはわからない」
それはそうだ。
外から見ただけで、本当のことがわかったら、超能力者だ。
医者にかかるうえで大切なことは、自分がどうしたいか。
ボールは患者である自分にある。
転ばぬ先の杖として検査に進めば、それなりの費用がかかる。
だが頭痛に限らず、脳内の状況を詳しく知りたいという衝動が強い。
だからこそ、脳神経外科のモンを叩いたのだ。
(ここは内科だけど)
MRIを撮ってください
即答した。
すぐに医師は内線電話をとって、MRIの予約を打診する。
「エムアールエーもやりたいんだけど、いい?」
電話の向こうにいる技師に、より積極的なプランを呈示する医師をみて、とても幸せな気持ちだった。
もう治った気がする \^^)オイオイ
エムアールエーってなんですか?
とは聞かなかった。あとでしらべれば済むことだ。
この医師がやりたいというからには、その先にあるものはいいモノに違いないと思える。
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