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2015年5月21日 (木)

最後の築地散歩

前回、築地の場内でごはんを食べたのは、もう十年ほど前のことだ。
とても暑い頃だった
東京を後にして、遠くへ旅立つ友だちを送るために築地でおいしいものを食べようと言うことになった。
せっかくだから、美味しいものを。
築地のガイドブックを10冊ほど並べて、ベストな1店を選んだ
選んだのは仲家(なかや)
うに・いくら・えび・魚とあらゆる海鮮を組み合わせた幾通りかの丼が出る。
価格も町中で食べるのと比べるとずいぶん安い。
安いといっても原価がかかっているので、どれも千円は超える。
だが、築地場内で千円を超えていても、それほど高いと感じさせない。
それは築地が観光客にとっては、ハレの場だからだ。


築地市場(つきじしじょう)は世界最大の水産物市場としてギネスブックに載っている。
世界的に有名になったおかげで、前回来た時と較べると圧倒的に外国人観光客が増えた。

いや、外国人しかいない
と言いたくなるほどだ。

その施設は老朽化しており、豊洲新市場への市場機能の移転が決まっている。
移転議論が始まったのは1980年代。

2014年は当初の移転、豊洲新市場開場予定だったが、新市場の土壌に問題が見つかり開場が延期された。

現時点の予定では、2016年3月に工事完了。
2016年11月上旬、豊洲新市場が開場する。

移転まであと1年半
そろそろ築地に行っておこう。
それは5年前から目を付けているあのメニューをまだ食べていないからだ。


その名は八千代のチャーシューエッグ定食


2010年撮影

八千代はチャーシューエッグが有名な築地場内「魚がし横丁」6号館にある食堂。
営業時間:5時~13時

チャーシューエッグ定食は、火木土限定
それも「早い時間帯に売り切れる」という風評がネット上に書かれている。

では何時頃に行けばいいのか?
土曜日の場合は9時までに行けば、なんとかなるのではないか?
そう仮設を立てたところで仲間を募ると、2人の賛同者を得た。

ここは仮にサトウ君とスズキさんとしよう。
2人とも前の晩は仕事が遅くまであるらしいが
「築地9時」という、休日の行楽とは思えないような厳しいレギュレーションを了解してくれた。


迎えた3月のある土曜日
待ち合わせ場所は「八千代」前
幹事の責任でもあるので、集合時間よりは30分早く「築地」に着いた。

駅からは観光客がアリの行列のように細く連なっている。
場内にはハイスピードでターレー(1人乗り荷物運搬車)が行き交う。
規制線からはみ出した観光客には、ぶつかるのではという間近でもスピードを緩めない。
ここは市場だからだ。

市場の人を邪魔してはいけない。
子供時分、下関の漁港で遊んでいた頃、親せきに言いつけられた。
漁港のそばで育たなくても、観光スポットでもない所に押し入っておいて、仕事の邪魔をするのは作法を欠くことだとわかる。
だが、わからない人もいるので、世界共通語で警告が掲示されている。
その掲示が、この十年で築地の状況が変わったことを告げている。
つづく

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