バウワウに次ぐロックスターと思ったサザンに挫折したいとしのエリー
サザンオールスターズを初めて見たのはTBSの歌番組
「ザ・ベストテン」
洋楽ばかり聴いていた僕ら学生ロックファンは、椅子から転げ落ちそうになって驚いた。
ロックと言えば洋楽。
日本でカッコイイロックバンドはバウワウしかいなかった。
セカンドアルバム「SIGNAL FIRE」にしびれた僕らは、
日本らしくないよね
あとはボーカルだよね
と勝手なことを言い合っていた。
バウワウのこの傑作は、しらべるが「二枚目最強論」を言う一つの論拠でもある。
「Prelude」から「Get on Our Train」につながるグルーブ感に参ったことが、のちに「アンジェリーナ」のイントロを聴いて、佐野元春に吸い込まれる伏線にもなった。
前置きが長くなったが、僕らガキんちょロックファンにとって、バウワウに次いでようやく現れた日本のロックヒーローがサザンオールスターズだったのである。
だから、僕らは「いとしのエリー」で挫折した。
なんで、そうなるの?
ロックヒーローになってくれるんじゃなかったの?
これはないよね
サザンは終わったね
またも、僕らは勝手なことを言い合った。
ただし、予測は大きく外れることになった。
彼らには、ロックスターに留まらない、もっと大きなものが待っていたのだ。
2015年5月24日(日)
天気予報は外れ、初夏の陽が射すサザン日和
折りたたみ傘をカバンから出した
昨日"参戦"した友だちが「東京ドーム周辺はスゴイ人だった」とSNSに書いている。
待ち合わせの喫茶店にたどり着けるのか心配になり、早めに家を出たのだが、後楽園駅周辺はさほどの人でもない。
約束の時間より20分早く着いたが、中村君は既に店内にいた。
チケット代の9,000円と引き替えに、座席指定引換券を受け取る。
この時点では座席はわからない。
「転売に厳しい事務所なんですよ」
彼がいちごショートにフォークを入れながら言う。
そうなんですか・・と言いながらコーヒーカップを持ち上げようとすると、彼の肩越しに歩道橋が見えた。
サングラスのオトコが通行人に声をかけて、やがて人目のつかぬ所に連れて行く。
ダフ屋ですかねぇ?
そう言うと、彼はきっぱり否定した。
「チケットには氏名が入っているし、身分証明書の呈示も必要ですから、転売は無理だと思いますよ。
なかには身分証貸しますと言って、オークションに出品している人もいますけどね」
手元の座席指定引換券を見ると、確かに彼の氏名がクレジットされている。
二階席の最前列みたいな席だったらいいですね。
前の人が立って見えないということがないから、座ってみられますよね。
演奏は3時間半に及ぶと聞いている。
叶わぬ夢ではあるが、切実な願いでもある。
開演まではまだ2時間ある。
暇つぶしに軽い気持ちでいった言葉が現実になるとは思わなかった。
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