一番好きな「Tarako」 一番の思い出「ミスブランニューデイ」
「Tarako」が始まると、同行者が立ち上がった
それを見て考えた。
ここは立つべきではないか?
確かに前には誰もいないわけだから、無理して立つ必要はない。
だが、今目の前で始まったのは大好きな「Tarako」
確かに前には誰もいないわけだから、無理して立つ必要はない。
だが、今目の前で始まったのは大好きな「Tarako」
そして、今日はチケット代は払うとはいえ、招待された立場
オープニングアクトは立ち上がって聴くのが相応しい態度ではないのか
立ち上がってみると、座っている時よりもさらに視界が広い
いつもならば視線を遮る、前の人の頭もない。
当時はレンタルレコードで「これは」と思うレコードを借りて来て「BEST HIT」と題したカセットを作っていた。
今とは違い、レンタル代金にふんだんにお金を使える時期だった。
名前を知っている歌手の曲は全て借りていたため、ある日レンタル店の学生から「motoさんは当店一番のお客様です」と声をかけられて、びっくりしたが嬉しかった。
「Tarako」は「1984/10~」とラベルされたカセットのA面の1曲め。
A面の1曲めはパンチのあるアップビートと決めていた。
ロックファンならば、誰しもそうだろう。
たまたま入れたA面の1曲めが腰砕けなふにゃちんの様な曲だと、そのカセットを聴く回数が減るってもんだ。
「Tarako」の次には「いっそセレナーデ」を入れていた
カセット編集において、前後の関係は大切だ。
切ないピアノで終わったところへ、陽水の甘いボーカルが飛び込む。
この関連性は、我ながら「はまった」と気に入っていた。
「Tarako」のピアノ演奏が静かに終わると、静寂から「甘いくちづけ~」という陽水の声が聞こえて来たが、ここは東京ドームだ。
目の前のことに集中しなければならない。
「ミス・ブランニュー・デイ」
これは、僕にとって音楽に思い出がセットされている唯一の曲だ。
その日も、僕は中洲のスナックにいた。
カウンターの向こうには、当時入れあげていた今日子ちゃん。
スナックと言えば、女の子が
「ねぇスーさん、熱き心に歌って~」
と心にもないリクエストをして、せがまれたスーさんは
ん?いやぁしばらく歌っていないからなと、もったいつけた後、じゃそれを!
と言って「踊る?」と調子にのり、女の子が別のテーブルに逃げてしまうと言うのがお約束だ^^;)
今日子ちゃんは、目の前にやってきたかと思うと
「moto君ひさしぶりぃ~、あ・ミス・ブランニュー・デイ歌える?」
とのたまうた。
サザンの歌だということは知っているし、レコードは借りたので、およそどういう曲かもわかる。
それでも、とても人前で歌えるレベルではない。
たとえ、相手が今日子ちゃんじゃなくても、元の曲を編曲(変曲)してしまうような歌は、じっちゃんの名にかけても歌えない。
いや、知らない
その場は曲自体を知らないふりをしてやり過ごした。
そして、次の日からは特訓が始まる。
音楽を聴くためと言うよりは、ほぼカラオケ練習用に営業車に積み込んだマランツのラジカセ
移動の間はずっと「ミス・ブランニュー・デイ」
歌詞はまる暗記
フルコーラス、歌詞を間違えずに歌えるようにする。
ある程度歌えるようになったら、コンプリート歌唱に挑戦する。
歌詞を間違えたら、REVIEW ボタンで始めに戻してやり直すというレギュレーション。
ラストまで通して歌えるまで続ける。
ラストまで通して歌えるまで続ける。
同じところを何度も歌わなければならないので、必死で覚える。
コンプリで覚えたら、今度は節回しを正確にトレース練習。
声質が違うので、桑田佳祐の物真似はできないが、桑田佳祐のようには歌えるようになる。
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