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2015年7月23日 (木)

検査を受けずに放置すると失明の恐れがある下垂体腺腫

病名は下垂体腺腫と書いた。
医師が「かすいたいせんしゅだと思いますが・・」と曖昧な所見を述べた時は、なぜ明確に言わないのだろうと頼りない気持ちになったものだが、その理由は手術後にわかることになる。

下垂体腺腫といえば、良性腫瘍
だがそれは、摘出した部位を冷凍保存したうえで、検査にかけてみて正式に判定されることなのだ。
MRIの画面を見ただけの医師が断定できるものではないのである。

下垂体腺腫
下垂体に腫瘍ができて、下垂体が大きくなる病気。
脳腫瘍発症に占める下垂体腺腫の比率はおよそ2割。
通常、下垂体は小指の頭くらいの大きさだが、それが数倍に大きくなる。
分類としては脳腫瘍の1種だが、悪性のものではなく、的確に処置すればその後の暮らしに影響はない。
明確な自覚症状はないと言っていい。

医師が挙げるのは「視野の外側(耳寄り)が見づらい」こと。
下垂体のすぐ上に視神経が交差して通っており、下垂体が大きくなると視神経を圧迫する。
すると視野の外側が見えづらくなるのだ。

今回、下垂体腺腫を見つけたきっかけは頭痛だった。
だが、MRI検査を受けた病院の脳神経外科医は「今回の頭痛と下垂体腺腫は関係ない」と断言していた。
従って、自覚症状がない場合も多く、MRIを撮らない限り見つからない。

下垂体腺腫の発症率は、日本では1年間で10万人に2~3人。
子供よりも大人に多く発症する傾向がある。
母数を1億2千万人とした場合、1年間に2,400人~3,600人
20~41人に1人が発症する計算になる。

これ以外に下垂体腺腫の発症を知らずに放置している人がいる。
放置した場合、視野の外側が欠けていき、最悪の場合、失明の危険がある。

視野が欠ける病気として代表的なものに緑内障がある。
こちらは40歳以上の20人に1人が発症している。
緑内障の場合は、視野がブロック状に欠ける。
(視野が欠けた部分が点在する)

下垂体腺腫の影響による場合、外側の視野が全般的に狭くなる。
下垂体腺腫の検査では必ず手術前後に視野検査をおこなうが、そこで、緑内障の疑いが見つかることもある。
下垂体腺腫の影響による場合、下垂体腺腫を根治すれば視野が回復する可能性が高い。

その一方、緑内障では1度失った視野は戻らない。
IPS細胞による再生医療の実用化が待たれるが、西洋医学では「視野欠損は回復しない」とされているのである。

緑内障という所見を得て、投薬治療を始めた日から「その時点の視野を維持できる」というだけだ。
視野を10%失った時点で治療を開始すれば90%
視野を20%失った時点で治療を開始すれば80%
残りの視野で暮らすことになる。

視野を失うことは、生活の質に大きな影を落とす。
病名はいずれにせよ、すべての人にとって視野検査は必要だろう。

自治体によっては「45歳・50歳・55歳」といった区切りで、無料の緑内障検診を行っている。
第一段階は視野検査を受ける。
そこで「緑内障の疑いあり」という所見が出た場合、緑内障検査をおこなう。
視野検査、緑内障検査共に、大きな病院に行かなくても町の眼科でできる。

下垂体腺腫発見入院回復体験談(もくじ)

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