限度額適用認定証をしらべる
入院3週間前
堂下総合病院 脳神経外科
「合併症の可能性はうちでは0.7%です」
牧野先生から手術説明を受けている。
合併症の意味はよくわからないので、退院後落ち着いてからしらべる。
いずれにせよ、1%に満たないということに安心する。
今は有事の中にいる。
周辺知識はあとで、ゆとりが出た時に身につければよい。
今は有事の中にいる。
周辺知識はあとで、ゆとりが出た時に身につければよい。
合併症のリスクについては、手術前に家族を呼んで主治医が説明する。
ただし、日程の調整がつかずやむを得ない場合、本人への説明のみで済ませることもある。
後者を希望した。
だが、それは少し認識がずれていた。
そう気づいたのは、手術前日のことだ。
「千葉さんはしっかりしているから大丈夫かな」
大きな病院の先生に、そう言ってもらい恐縮する
どのような人が"しっかりしていない人"なのかはわからないが、治療に向き合う姿勢が評価されていると思えば嬉しい。
下垂体腺腫の手術は比較的、安全なものだ。
テレビドラマでいう「成功」とか「失敗」のような言葉は馴染まない。
一般的に、手術後2週間程度で退院できるというのが、安全性を裏付けている。
「寝ているうちに、終わっているよ」
と笑い飛ばしていられる範疇にある。
それでも、こうして手術の当事者と言うのを初めてやっていると、そう簡単ではない。
説明を聞けば聞くほど、気が重くなってくる
明確な不安があるというわけでもない。
真空のなかにいて、静かな空気を感じているかのようだ。
「がんばっていきましょう!」
牧野先生の力強いことばに励まされる。
手術をするのは僕ではないが、患者側も頑張る必要があるのだ。
だが、この時点では何をどう頑張るというto do がわかっているわけではなかった。
牧野先生の力強いことばに励まされる。
手術をするのは僕ではないが、患者側も頑張る必要があるのだ。
だが、この時点では何をどう頑張るというto do がわかっているわけではなかった。
今回が生涯で手術を受ける最初の機会になる
手術と言えばお金がかかりそうだということは、初体験の僕にもわかる。
だが日頃、あまり研究していない分野なので疎い
そこで、健康保険のプロに直接取材した。
労災は会社で倒れない限り通らないです
高額医療費にあたる部分は、退院後、病院から連絡があって計算するので、特に申請は要りません
「限度額適用認定証」を申請しておけば、立て替え払いが少なくて済みますよ
アマチュアはものごを複雑にする
プロこそがものごとをシンプルにできる
座右の銘であるこの言葉を地でいく説明だった。
こちらが聞きたいことを、相手の立場に立って、抜け漏れなくコンパクトにまとめて話す
それこそがプロだ
今僕にできることは「限度額適用認定証」を申請することだとわかったが、理屈で納得するために早速しらべた。
しらべるの定義
高額医療費の立替負担をなくす国の制度。
病院の支払いが高額になった場合、後日申請により自己負担限度額を超えた額が健保組合から払い戻される「高額療養費制度」がある。
事前に「限度額適用認定証」を提出すれば、限度額を超える分は支払わなくて済む。
限度額を超えた額が"後から戻ってくるか、そもそも払わないか"の違いである。
立替払いする金銭的な負担がなくなる。
堂下総合病院はすべての支払いがクレジットカードでできるので、現金を持ち込む必要はないが、現金のみという病院では「いくら持っていけばいいのか?」不安で仕方がない。
クレジットカードが使える病院か?というのは大きなポイントだ。
現金の心配をしなくて済むので、その分、治療に専念できる。
いくらかかるか尋ねたところで、入院費用が減るものではない。
「お金がないから、MRI無しにしてください」
というわけにはいかないのだ。
今回の入院でも最後の会計まで「ところでいくらですか?」という質問はせずに済んだ。
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