人はなにごとにおいても、パンツを用意しなければならない
はじめに用意したのはパンツだ。
日々の暮らしも、夏の旅行も、マラソンも、彼氏とのお泊まりもパンツがなければ始まらない。
「パンツがなくてもなんとかなりました」
ということがあるとすれば、それは棺桶に入った先の話だろう。
入院はおよそ2週間の想定。
必要なパンツは14枚
そんなにたくさん持っていない。
病院内にはコインランドリーがあるので、2~3回は洗濯しようと思っているが、それでもパンツが足りない。
そこで再び登場するのが「紙パンツ」だ。
かつて、2週間に渡って航海に出た時、紙パンツを持参した。
しかし、寝起きなどの特定の時間帯において耐久性に問題があることも経験している。
だが、あれからずいぶん時が経っているので品質が向上しているかも知れない。また、それなりに歳を取っているし、多分大丈夫だろう。
ネットで検索すると紙パンツ30枚で1,400円
まぁまぁの値頃。
ただ、1枚50円はいいとして30枚も要らないな
そう思った半日後
興味のアンテナが立つと、モノは向こうから目に飛び込んでくる。
一番安い紙パンツは、100円ショップ「ダイソー」にあった。
5枚で108円
1枚21円しかも、5枚単位で買えるのがありがたい。
!
これならば入院中の2週間すべて、紙パンツでいいじゃないか!
いつも通りMサイズを3つ(15枚)か
いや、もしかして耐久性に問題があってはいけない。
1度履いてみて、よかったらまた買いに来ても遅くない。
この慎重さは、的を得ていた。
その日はMサイズを1袋だけ買って帰り履いてみた。
すると、耐久性は別として、サイズが小さかったのだ。
とても張り切っている女性が、無理矢理にそのお尻を詰め込んだような、なまめかしいシルエットに笑った。
これを人に見られたら恥ずかしい。
実際、手術の時には見られるだろうし
(この見識は後にまちがいとわかる)
ダイソー「トラベル・サウナ用使い捨てブリーフ」
5枚で100円+税
サイズはM/L
梱包が小さく、荷物を小さくまとめたい旅行や入院時は助かる。
後日、ダイソーにてLサイズを2袋購入
これに、本物の布パンツを足せば2週間は洗濯なしで乗り切れる。
入院を前にしたある日、岩崎俊一のエッセイを読み返していた。
「大人の迷子たち」第39回 SALUS2013年10月号収録
「人にとって、美しいものは救いである。」
それは40日間に及んだ入院後の執筆。
病院の殺風景を憂い、気持ちも体も弱っている者にとって美しさが癒しであると訴えている。
この号を読んだ時、岩崎俊一が入院するような病気だとは知らなかった。
それはそうだ。
友だちではないのだから。
友だちだったとしても、よほどの親友でもない限り、入院前に打ち明けることはない。
打ち明ければ心配をかけるし、近くに住んでいたらお見舞いをせがんでいるようで申し訳ない。
彼の言う「殺風景」がぴんとこない。
果たして、そうだったろうか・・
13年前の入院を想起する。
確かに散歩できる緑地はなかったし、思わず立ち止まるような絵画も飾られては居なかった。
だが、それを殺風景とは思わなかった。
恐らく入院期間が10日あまりと短かったせいだろう。
岩崎俊一は、当初2週間程度の予定が伸びるに連れて、殺風景が"じわじわと心と体にしみこみ"と書いている。
今回の入院予定は医師から2週間と言われている。
殺風景が心にしみこむ前に、予定通り退院したい。
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