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2015年9月28日 (月)

マラソン終盤スイッチが入るきっかけ

35km
右腕にはめているペースブレスレットに書いてある、35kmの予定時間からは30分遅れ。
ということは、このままではネットで5時間を超えてしまう。
(ネット=ロスタイムを含まないタイム)

第13給水 給食 スポンジ
ここは第6関門 12時57分に閉まる。
時計が設置されていて、なにかの数字を表示している。
現在時間ではないし、号砲からのグロスでもない。
数字はカウントアップされているので、関門閉鎖までのカウントダウンでもない。
数カ所あるこれらの数字が、何を意味しているのか最後までわからなかった。

あともう7kmしかない。
せめて、最後はいいイメージで終わりたい。


マラソンをやっていると言うと、素人から聞かれる2大質問は

「ランナーズハイはあるのですか?」
「35kmの壁はあるのですか?」

いずれも、ランニング雑誌・書籍で存在が確定したものとして扱われている。
明快な定義はない。
ランナーの能力、感性によってどう考えるかに大きな幅がある。

今日のレースで言えば、全く持って不愉快。
ランナーズハイがあるわけがないし、35kmの壁ではなく雨が強まった25kmが壁だった。

そういうことを詳細に説明すると、めんどくさいやつと思われるので、一見爽やかに「個人差がありますからねぇ」とさだまさしのような受け答えをするのが無難だ。


36km
コースは長かった海べりを終え、なだらかに左に折れる。
そして、楽しみにしていた町中へ。
やはりマラソンは町中がいい。

「絶景を臨むマラソン」を謳い文句にする大会があるが、絶景ということは即ち、走れども走れども景色が変わらないということ。
絶景の場所に人は住んで居ないので、応援は期待できないと言うことだ。

一方、殺風景でも町中はいい。
そこのカドを曲がる度に、気分が変わる。
周辺には人が住んで居るので、家から出てきて応援してくれる。
足腰が弱くて買い物難民になっているおばあちゃんでも、軒先に椅子を出すくらいはできる。

「応援に力をもらう」という言葉は万人のランナーが言い尽くした陳腐な言葉だが、ばかにならない。
それがなければ、失敗レースには救いがない。


36km
コースが土手を降りて右折
「直角の曲がり角」は、ランナーにとって特別な場所だ。
ウォークマンからは「don't look back(BOSTON)」に続いてサザンの「涙をぶっとばせ!!」が流れて来た。
そこで、一気に気合がはいる。それをスイッチとも言う。

ここに来て、今季最高のフォームだ。
頭が揺れない、肘のリードで足が出る。
ゾーンに入った。
なに一つ不安なく、ありたけの力を出す。
今日の意地を見せる時がきた。


37km
小降りになった柳宮通り
次々に先行するランナーを捉えていく。
できれば、誰かに「ナイスラン」と声をかけて欲しい。

37.8km 第14給水
喉は渇いていないが、念のために水はもらう。
それぞれの時間帯に付いているペースランナーはもう行ってしまったのか?
できれば、なんらかの表示で教えて欲しい。


給水所ごとにランナーへ「ピットサイン」を送る[ピットボード」を置く。
表示は「4:00ペースランナーは12時35分通過」
大半のスポーツウォッチは、現在時刻を表示できる。
頑張ればペースランナーに追いつけるとわかれば、それがスイッチになる。


38km
miCoach SMART RUNのデータを見ると、盛り返していたタイムがここから落ちていく。
再び強くなった雨。
せめて5時間以内と思って走ってきたが、あと4kmとして暗算してみるとかなり厳しい。
ここですべての目標を見失ってしまったのだ。
だからといって、投げやりにはならない。
僕はまだファンランナーではない。どんなに遅くても心はシリアス。
もし、ここで「静岡おでん」のエイドが出ていても並ばない。
(橋本環奈のハイタッチだったら並ぶけど)

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