高橋由伸 選手兼任監督
東京ドームで観戦していると、巨人で一番愛されている選手は誰かがわかる。
若年層であれば坂本勇人だろうが、若い人から年配者まで、幅広くといえば高橋由伸だ。
巨人のMr.childrenと言ってもいい。
(なんだそれは)
好機が訪れ、代打のために高橋由伸がベンチを飛び出した瞬間、それに気づいたファンが早くも歓声をあげ、代打コールと共にこの日最大音量の拍手がわき起こる。
今でこそ愛すべき男、高橋由伸がかつては、どこか外様のようなイメージを持っていたことを覚えているファンは少ないと思う。
その話はあとで詳しく触れるとして、現在の話だ。
巨人はその高橋由伸に「原野球を継承する男」として、監督就任を要請した。
高橋由伸と就任依頼の会談を終えた久保社長のコメントを読むと、断るわけがないだろうという上から目線が垣間見える。
両者のコメントから読み解けるのは、巨人側が高橋由伸に対して
「巨人の監督は選手兼任でできるような甘いものではない。現役を引退して監督をやって欲しい」と主張したことだ。
それは、お偉いさんにありがちな、あまりにも夢のない紋切り型の考え方だ。
巨人ファンならば、誰もがこう唱えるだろう。
巨人ファンならば、誰もがこう唱えるだろう。
「一番打てる代打を引退させてどうするの?」
2016年シーズン、試合終盤、ここで一本欲しい。
しかし打順は低打率にあえぐ下位打者に巡ってきた。
さぁベンチには誰がいる?
よしのぶ!はもう居ないのか。
そうして、いくつの試合を失うことだろう。
ここで、似非プロ野球通ならば、
なにを言ってるの?
どこの世界に、監督が代打に備えてベンチ裏でバット振っているチームがあるの?
というかも知れない。
だが、今論じられるべきは、そういう問題ではないのだ。
来期、巨人は高橋由伸にフリーハンドを与えなければならない。
高橋由伸が自ら進んで現役を退きたい。監督に専念したい。
そう思うのならばそれでよい。
もし、現役としてグラウンドに立ち、それでもいいと巨人が言うならば監督を受けるのもいい。
彼がそう思うならば、その通りにさせる必要がある。
監督打診会談のあと、高橋由伸は「ファンの期待に応えたい」とコメントしていたが、ファンは彼がバットを置くことなど期待していない。
監督打診会談のあと、高橋由伸は「ファンの期待に応えたい」とコメントしていたが、ファンは彼がバットを置くことなど期待していない。
監督候補と言われる江川卓は、数年前、身内のほころびが原因となって、肘鉄を食わせた時点で終わっていたのだ。
大田泰示から「55」を剥ぎ取ってまで背番号を開けて待つ松井秀喜は、未だに帰国の意志がない。
追い詰められているのは巨人側だ。
もしも、高橋由伸から「現役を続けたいから監督はパス」と言われでもしたら、大迷走に突入する。
「引退しろ」とか言っている場合ではない。
それでも高橋由伸は、巨人のいいなりになるだろう。
そして、それは巨人がかつて高橋由伸に借りがあったことを想起させる。
それでも高橋由伸は、巨人のいいなりになるだろう。
そして、それは巨人がかつて高橋由伸に借りがあったことを想起させる。
それは1997年11月4日に遡る。
慶大日吉キャンパス
前日、六大学秋期リーグを終えた高橋由伸がいよいよ意中の球団を発表するとあって、200人の報道陣が駆けつけていた。
この年、高橋由伸獲得意志を表明していたのは、中日、日本ハム、広島を除く9球団。
そこから高橋由伸が在京5球団(西武、ヤクルト、巨人、横浜、ロッテ)に絞る。
そして、会見の時点で脈が残っていたのは西武、ヤクルト、巨人。
当日のスポーツ各紙は「ヤクルト有力」で一致していた。
「私、高橋由伸は讀賣ジャイアンツを逆指名させていただきます」
詰め襟の学生服を着て「逆指名球団発表会見」に臨んだ高橋由伸は、この会見で笑わなかったのである。
つづく
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