人は箱根駅伝のどこを見るのか?
前回からつづくこの話でいう「人」とは日本人のことである。
11月~3月、アスリートのマラソンシーズンにおいて、そのほとんどの大会が全国ネットで生中継される国は日本しかない。
そして「駅伝」は京都の都大路に起源があり、日本固有の競技である。
marathonは五輪競技だが、ekiden はまだ候補にも挙がっていない。
さて、人はなぜ箱根駅伝を見るのか?
推論2
ルールが日本人好みだから
・団体競技である
・ある程度長い時間をかけて勝負が決する
・ある程度長い時間をかけて勝負が決する
・争う覇権がシンプルである
日本では、こういうルールが好まれる。
NPBセ・パリーグ戦
2006年までの日本シリーズ
たとえ、その日は一敗地にまみれても「明日がんばろう」
そう考えるDNAがある。
AKB48もそう歌っている。
お日様が西に沈み、翌朝東から昇れば、そこから新しい命が生まれる。
そう考えることで、明日への活力が得られると考えて来たのだ。
だから、Jリーグのような2シーズン制、NPBでいえばクライマックスのような、商業優先でこねくり回したようなルールには違和感がある。
各国のプロフットボールで見られる、リーグ戦のあいだにカップ戦が混ざるという趣向にも馴染みが薄い。
一応、贔屓チームがそこに出ていれば応援はするのだが、手に汗握り、勝てば有頂天、負ければ人生が終わってしまうような喪失感は得られない。
マラソンは長い時間をかけて、大勢のランナーが競い、最後に笑えるのは1人だけ。
競技場に入るところまで接戦を繰り広げていた者ですら敗者に数えられる。
敗れた者からすれば「ラスト1マイル」で敗れることは、あまりに切なく悲しい。
切ない敗者がいるからこそ、勝者の歓びは引き立ち輝く。
その光と影の光景を空想しながら過ごす、スリリングな2時間。
それが、日本人の感性にぴたりと来る。
従って昨今の「ペースメーカー」に先導させるレースは、マラソン視聴者を激減させているはずだ。
スリリングなのは、ペースメーカーが離れた終盤だけというのは興ざめも甚だしい。
折しもマラソンブームが始まり、新たに「するスポーツ」層が加わったため、その凋落が目立たないだけ。
元々マラソンを「見るスポーツ」として位置づけていた層は確実に減っていると推測する。
さて、そこで箱根駅伝。
時間は2日にわたり10時間もかかる。
そして何よりも団体競技。
1人ずつが走りタイムを競うのであるから、勝敗は個の力の集積で決まるはずだが、そこが違う。
チームの和。前半で作る流れ。一発逆転の山登り。
そこには団体競技ならではの、不思議な勝ちが存在する。
そして何よりも団体競技。
1人ずつが走りタイムを競うのであるから、勝敗は個の力の集積で決まるはずだが、そこが違う。
チームの和。前半で作る流れ。一発逆転の山登り。
そこには団体競技ならではの、不思議な勝ちが存在する。
ルールは一見、複雑に見えるが、それは「5分でわかる箱根駅伝のルール」を読めばわかる程度のもの。
ラグビーのように「なぜ前に投げてはいけないのか」という腑に落ちない約束ごとはない。
覇者は「往路」「復路」「総合」とあるが、その競技進行からみて「総合」が唯一無二の高峰であることは明らか。
それでいて、後方には「シード権争い」の明暗「繰り上げスタート」の明暗といった、サブドラマも用意されている。
推論1:人が見ているから
推論2:ルールが日本人好みだから
これらが、日本において多くの人が何時間も箱根駅伝を見ている理由である。
そして正月は皆、ヒマだ。
人は現代とつながっていたい生き物。
You Tube、レンタルの映画、生中継のテレビがあれば、テレビに惹かれる。
どこのチャンネルを回しても(最近は回さないが)芸能人が年末に撮り溜めたと言われて久しい(最近は生も多い)バラエティ。
その中で4ch(東京の場合)だけは、まさに今を映しだしている。
できれば2016年大会の中継は、もう少し高解像度のカメラを使って欲しい。
2015年大会では優勝した青山学院大学の選手たちが、こぞってアディダスの「タクミ セン ブースト」を履いていた。
そして2015年、好タイムを狙う市民ランナーにとって、それが有効なツールになった。
2015年の放送では、録画映像をチルトした時、靴が判別できなかった。
できれば、ランナーがどういった装備で走っているかを見たいものである。
ランナーに焦点を合わせて撮るカメラだけを高解像度にすれば、沿道の観客まで判別されてしまうことはないと思う。
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