彼女が来たら談話室に逃げるルーチンワーク
手術後5日め
昨日までは昼寝をしていたが、この日からは加圧ストッキングを履かず、1日起きて過ごすことにする。
9:10
ヘルパーさんによるパジャマチェック。
着替えを勧めてくれたので、手術以来着ていた甚兵衛タイプから、パジャマに着換える。
日勤の田澤さんから「一階の売店(コンビニ)までならばいつでも行ってもいいですよ」とお許しが出る。
また一つ規制が緩和された。
今日はまだ爆音ばあちゃんが来ていない。
ケイちゃんが来ていない時間帯は天国だ。
こういう時はずっと部屋にいたいなと考えていたら、突然耳鼻科に呼ばれた。
予定外だが嬉しい。
今日もまた初めて見る耳鼻科医。
ラグビーの五郎丸みたいで、ちょっと職人気質。
鼻の奥まで掃除してくれた後、鍼?のような細い棒をさし込んでしばし待つ。殺菌なのだろうか。
この治療が効いて、手術後初めて両方の鼻が通った。
あぁ、天国だ。
いつも、こんな味の空気を吸っていたんだったな。
お昼は佐野元春が好きなマカロニグラタン。
だからというわけではないが、僕も大好き。
しかし、鼻は通ったけれど、まだ味はしない。
綿球の取り替えは、既に自己管理に移行している。
3時間に1度を目安に取り替え。
3時間に1度を目安に取り替え。
徐々に付着する血の量が少なくなっていたが、初めて血がついていなかった。
でも、これで血が止まったとは思えない。引きつづき、新しいものを入れる。
鼻は通っているが、綿球が詰まっているので、呼吸は口でするしかなく息苦しい。
ケイちゃんが来るまでは部屋で本を読み、ケイちゃんが来て爆音会話が始まったら、本を持って談話室へ逃げる。これがこの後、退院までのルーチンワークになった。
1時間後、本をすべて読んでしまったので部屋に戻ると、爆音会話はまだ続いていた。
その会話には看護師も1人参加している。
「まだ、お昼ですよ。寝るには早いですよ」
どうやら、ひょうちゃんが「明日の手術に備えてリハビリはやらない」とごねていて、看護師が説得している。
どうやら、ひょうちゃんが「明日の手術に備えてリハビリはやらない」とごねていて、看護師が説得している。
そうだ!そうだ!
看護師に声援を送る。
昼間のうちにひょうちゃんを疲れさせてくれないと、となりの僕はひと晩じゅうひょうちゃんの独り言>ナースコールの繰り返しに眠りを妨げられるのだ。
しかし、残念ながら軍配はひょうちゃんに上がった。
看護師が引き上げたあと、ケイちゃんが「A先生に**、B先生には**。しっかり受け取ったわよ。たいしたもんね」
と報告している。
部屋中に聞こえる声で。
夕飯は味噌仕立てのワンタン
初めて味がした。
夕飯後、いつもならば、対角線ベッドに居るおじちゃんの独り言が始まる。
看護師との会話を漏れ聞くところによると、ずっと独り身らしい。
手術の説明を1人で聞き、手術の立会もいない。
故郷にもずいぶん、帰っていないという。
いつも、家に帰れば唯一の話し相手であるテレビに向かって笑い、つっこんでいるのだろう。
それを「孤独な人」と片付けるのはたやすい。
だが、そんな境遇だからこそ、彼は自分の目でみて、考え、想像している。
だから、手術前にあれだけ飄々としていられるのだろう。
それを「孤独な人」と片付けるのはたやすい。
だが、そんな境遇だからこそ、彼は自分の目でみて、考え、想像している。
だから、手術前にあれだけ飄々としていられるのだろう。
その彼も、手術前日ということもあってか、とても静か。
初めてテレビをつけてナイターを観る。
村上春樹が応援するチームが、僕の贔屓球団を僅差でリードしたまま、放送時間が終了した。
勝っても負けても、今年はこんな試合ばかりだ。
鼻が通るということは、これほどまで劇的に気分を変えてしまうのか。
前日と一転、明るい一日になった。
しかし、気分が晴れてくると、感受性も戻る。
すると、周囲の会話や人の態度が気になり始めた。
ほぼ日手帳に書き留めた量が格段に増えているが、その大半が声に出せない抗議のメモになっている。
手術後5日めのまとめ
耳鼻科で鼻通って楽になった!
これまでは綿球が濡れてくると目が覚めるため、夜中に3度は目覚めていたが、この日は1度で済んだ。
明日は朝6時からホルモン負荷検査と言われている。
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